グッドデザイン賞は、1957年に創設され、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨を行なう仕組みである。
日本屈指のデザイナーや建築家などで構成される審査委員会が、有形無形を問わず、人が理想や目的を果たすために築いたあらゆるものごとをデザインとしてとらえ評価しているという。
そんな栄誉ある賞に、トーヨータイヤの国内初となる小型EVトラック専用タイヤが選ばれた。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/トーヨータイヤ・フルロード編集部
夏タイヤと冬タイヤ、シリーズとして対応した小型EVトラック専用タイヤ
公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2024年度グッドデザイン賞」を受賞したのは、トーヨータイヤ製の小型EVトラック専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV(ナノエナジー エム イチゴイチ イーブイ)」と「NANOENERGY M951 EV(ナノエナジー エム キューゴイチ イーブイ)」である。
これらの商品は、今後活用拡大が見込まれる小型EVトラックに対し、夏タイヤ・冬タイヤの2商品を開発することですべてのシーズンに対応したもの。
2商品ともに、EV特有の高トルクによる早期摩耗を抑制するべく、EV専用非対称トレッドパターンを採用。リブ(縦溝)パターンによって耐摩耗性能を、ブロックパターンによってトラクション性能を両立している。
また、ゴムコンパウンドのエネルギーロスを低減できる独自のプロセス技術「Nano Composite Polymer(ナノ・コンポジット・ポリマー)」を用いて、最適なコンパウンドを設計している。
これは「ナノ加工」の進化技術(コンパウンド作製前に固形ゴム中のフィラー構造を最適化する当社独自の技術)によって生み出されたポリマーで、フィラーの凝集塊が飛躍的に低減し、均一かつ高度に分散された理想的なフィラー状態を確保したものだ。
この結果、従来に比べてエネルギーロスを抑制できるゴム配合技術に成功。併せて転がり抵抗の低減と耐摩耗性能の両立を実現した。
今回の受賞は、輸送業界のEV化に伴う需要にデザイン面からアプローチした点と、性能向上と耐久性向上を高い次元で両立した点が審査員の高い評価となった。
その評価コメントは、「EV化の進む輸送業界の新しい需要に注目した一点。今までのディーゼル車両に比べタイヤへの負荷が異なるEVの特徴に合わせ、リブとブロックを合わせたゾーニング・デザインによりモジュール的にそれらの新しい課題に対応するデザインコンセプトは秀逸である。また、性能の向上とともに耐久性の向上にも成功した点も評価すべき点である」となっている。
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