世界的なドライバー不足で自動運転に期待
また、VAS社長のニルス・イェーガー氏は次のように話し、インフラとサポートの重要性を強調している。
「ボルボグループの一員である私たちは、業界をリードする製品開発と世界クラスの生産技術、成熟したディーラーとサービスネットワークにアクセスできます。
自律的な貨物輸送を大規模化するには、自動運転トラックだけでは充分ではありません。それを取り囲むインフラと一体的でシームレスなサポートが必要であり、日常業務の自動化はそれによってはじめて可能になります」。
将来的に自動運転フリートの稼働率向上を確実なものにするため、VASはディーラー網などを活用しテキサス州にVNLオートノマスのためのサポート&サービス拠点をセットアップした。
世界的にトラックドライバー不足が深刻化するなか、運行コストの低減、輸送効率の向上、安全性の強化が可能な貨物輸送の自動化は業界にとって革命的な技術となりうる。
かつては「トラックドライバーの仕事が奪われる」という懸念が大きかった自動運転技術だが、人手不足問題が顕在化した今では、ドライバーの負担を軽減し人手不足を解消する切り札として期待されている。
実際、DHLのモンクメイヤー氏は「自動運転トラックは、ドライバーに遠隔監視や管理といった新たな機会を提供し、世界的に問題となっている労働環境改善にも対処することができます。トラックドライバーの肉体的・精神的負担を軽減し、生活の質と仕事のやりがい向上につながります」と話している。
ただし、完全なトラックの自律運行を実現するには規制当局の承認と社会や一般市民からの理解・信頼も必要となる。そのためには、VASとDHLのコラボレーションのように専門知識とリソースを合わせて取り組んでいくことが不可欠だ。
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