限られたサイズで最適なドライビングポジション
試乗したエルフミオは「シングルキャブ・フルフラットロー・後輪ダブルタイヤ・最大積載量1.25トン平ボディ」というモデル。エルフミオには現在11のバリエーションがある中で、試乗車は2トン積エルフの売れ筋と同一(もちろん積載量は異なるが)で、もっともオーソドックスな車型といえる。
ちなみに「フルフラットロー」とは、同じサイズの小径タイヤを前後に装着する低床シャシーを指し、「平ボディ」とは架装している荷台形状のことである。
2トン積エルフと共通の新開発キャビンは、荷台長3m(10尺)の平ボディ架装時に4ナンバー(小型貨物車)登録できるサイズになっている。そのため必然的に室内空間は限られるのだが、キャビン骨格の設計、インパネの形状、ステアリングホイールやシートの調整量、フットペダルの相対位置などを徹底的に最適化したという。
実際に座ってみると、決して広々とした感じではないが、身長が168cmの筆者も183cmの編集部員も、しっくりと運転できるポジションが得られる。そこからの直接視界とサイドミラー視界も良好。基礎的な運転環境の改善を、地道に積み上げてきた成果がうかがえるような運転席だ。
メーターパネルは見やすく機能的なデザインで、コラムレバーの配置は常識的なもの。ルームミラーはバックカメラの広角映像を表示する。インパネにずらりと並んでいるスイッチホールは、架装やADASの追加機能に備えたもので、平ボディ車だと実際にスイッチになっている箇所は少ない。標準のAM/FMラジオはBluetooth対応で、USBタイプAのソケットもついている。