トラックはソフトウェアで進化する? スカニアなどトレイトン・グループ共通の「トラック用OS」が登場!

トラックはソフトウェアで進化する? スカニアなどトレイトン・グループ共通の「トラック用OS」が登場!

 フォルクスワーゲンの商用車部門であるトレイトン・グループと、自動運転車などのソフトウェア開発を行なっているアプライド・インテュイションは、同グループの商用車向け基本ソフト(OS)となる「TRATON ONE OS」を発表した。

 スカニアやMANなど、傘下ブランドの共通プラットフォームとなる予定で、2028年の新型トラックよりロールアウトを開始する。対応する商用車では、ソフトウェアアップデートにより自動運転機能を順次追加するなど、柔軟に機能を拡張できる「SDV」を実現するという。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Traton SE・MAN Truck & Bus SE

トレイトングループ共通のトラックOS

トラックはソフトウェアで進化する? スカニアなどトレイトン・グループ共通の「トラック用OS」が登場!
TRATON ONE OS はスカニアやマンなど、トレイトングループのトラックでSDVを実現する共通プラットフォームとなりそう

 トレイトン・グループとアプライド・インテュイションは2026年3月31日、商用車向けの基本ソフト(OS)「TRATON ONE OS」を発表した。

 「ソフトウェア定義車両(SDV)」は次世代の商用車を実現するための技術革新になると目されているが、それを実現するためにトラックは、スマートフォンやPCと同じようにソフトウェアプラットフォームを必要としている。

 フォルクスワーゲンの商用車部門であるトレイトン傘下のグローバルブランドは、次世代トラックでこのOSを共有することになる。なお、そのブランドとは「スカニア」「MAN」「インターナショナル」「フォルクスワーゲン・トラック&バス」の4つだ。

 トレイトンとアプライドは1年以上にわたり共同開発を続けてきたといい、最新の共通プラットフォームにより次のようなメリットを提供する。

コストのかかるダウンタイムを防止:システムは予防整備を実現するべく統一されたデータアクセスを提供しており、故障に繋がる機械的な問題や突然のリコールなど、計画外のダウンタイムを防ぐ

将来を見据えた運用:顧客は無線によるソフトウェアアップデートにより新しいアプリや機能、インターフェースの改善を受けることができる。そのために整備工場を訪問する必要はなく、車両ライフを通じて生産性が向上する

自動運転機能のアンロック:プラットフォームのミドルウェアは、自動運転機能の基盤となるように設計されている。このアーキテクチャをベースに、段階的に自動運転機能を追加して行くことが可能になる

 ちなみに、ダイムラーとボルボもSDV向けにトラック用OSの合弁事業となる「コアチュラ(Coretura)」を2025年に設立しており、世界的な大手商用車グループ全てがアプリにより機能を拡張できる「スマートフォンのようなトラック」実現に向けて動き出したことになる。

トラックはソフトウェアで進化する?

トラックはソフトウェアで進化する? スカニアなどトレイトン・グループ共通の「トラック用OS」が登場!
MAN「eTGX」のディスプレイ。ソフトウェアにより機能を追加するSDVは電動化に続くトラックの革新とされる

 現代のソフトウェア開発のスピード、柔軟性、継続的なアップデートサイクルを商用車にもたらすことを目指す TRATON ONE OS は、グループの新しい車両アーキテクチャに搭載する高性能コンピュータ(HPC)で実行される予定だ。

 プラットフォームは複数のハードウェアチップセットと各国の規制に対応するといい、各ブランドごとの顧客体験を損ねることなく、開発チームに共通の基盤を提供する。なお、トレイトン・グループの商用車メーカーだと、スカニアが日本市場で展開している。

 特に自動運転機能を追加するにはAI処理をエッジで(車載コンピュータで)実行する必要があり、高い演算能力が求められる。ハードウェアの試験は2026年4月より開始し、2028年に新型トラックでのロールアウトを予定する。

 トレイトンでEEプラットフォームを担当する上級副社長のシュテファン・トイヒャート氏は次のように話している。

「アプライドの最先端のソフトウェア機能と、トレイトンの商用車に関する専門知識が融合し、モジュール化やアプリ・ソフト開発の内製化などにおいて強みを発揮します。

 TRATON ONE OS では、アプライド、トレイトン、そしてオープンソースコミュニティを組み合わせて、世界最先端のEEプラットフォームを構築します。これにより各ブランドが独自性を維持しつつ、新しい機能とサービスを迅速に提供できるようになります」。

 プラットフォームはモジュール式アーキテクチャとして共同開発したもので、トラック向けの車両OSと、信頼できるサードパーティ製やオープンソースのコンポーネントを組み合わせている。このアプローチによりソフトウェアスタックの断片化やプラットフォームの書き換えを防ぎながら、より小規模なHPCで実行できるようにするという長期的な目標を支える。

 アプライドの共同創業者でCEOを務めるカサル・ユニス氏のコメントは次の通りだ。

「トレイトンと緊密に連携し、次世代のSDV商用車を開発しています。TRATON ONE OS は商用車がソフトウェアアップデートにより継続的に進化を続けるためのプラットフォームであり、同社のグローバルブランド各社に柔軟性と拡張性をもたらすものとなります」。

【画像ギャラリー】SDVを実現するトレイトンのトラック用OS(4枚)画像ギャラリー

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