公称値を大幅に超える性能
動き始めたeデイリーは着実に進み、規定の100フィートのランウェイを走り切り、ギネス世界記録の審査員にその栄誉を印象付けた。
全てのeデイリーに標準搭載されている「ハイパワー」モードは、電動バンによるけん引時など追加のパワーが必要な時にそれを供給するもので、この挑戦でも使用された。なお、eデイリーを運転しギネス記録を破ったのは現在の「イギリス最強の男」(Britain’s Strongest Man)のアダム・ビショップ氏だ。
イヴェコのトラックビジネスでマーケティング&商品マネジメントを担当するファビオ・サンティアゴ氏は次のように話した。
「イヴェコ・eデイリーが印象的な記録により新たな歴史を刻みました。これは、その強靭さと耐久性、そして並外れた機能性を証明するもので、私たちはこの快挙を誇りに思います。eデイリーは、従来のEVトラックの限界を超えることで、お客様が妥協することなくエネルギーの移行を追求できることを示したのです」。
EVトラックの歴史に新たな1ページを刻んだeデイリーは、ベース車の「デイリー」と同様、強固なフレームにボディーを架装するという構造を持つ。セミボンネットタイプの小型車なので、一見すると乗用車がベースのようにも見えるが、これはトラックと共通する頑丈で汎用性に富んだ構造だ。
また電動モーターは大トルクを(ターボラグなしで)即座に供給する。こうした特徴からeデイリーはけん引作業にも向いており、公式のけん引能力は3.5トンとなっているものの、それをはるかに越える重量でもオペレータは安心して作業できる。
【画像ギャラリー】153トンをけん引し世界記録を達成したeデイリーを画像でチェック!(20枚)画像ギャラリー