自分で道をつくる山奥の工事現場・氷雪が悪さをするデコボコ道! 私が慣れ親しんだ北海道の道を語ろう【トラックドライバーが綴る忘れ得ぬ道】

北海道のオススメルート

北海道の西海岸は菊地さんのお勧めのルート
北海道の西海岸は菊地さんのお勧めのルート

 もちろん、困った道路ばかりではありません。北海道の西海岸はすべての乗り物にお勧めのルートです。

 函館から留萌までは少々険しいところもありますが、留萌から北上する国道239号線と232号線、天塩町から稚内までの道道106号線はずっと海を見ながら走れる素敵な道です。夕陽が綺麗なスポットとしても有名で、温泉も点在しています。

 松前町から稚内市まですべて海沿いを走っても700km弱くらいの距離ですから、仕事なら一気に走れてしまいますが、良い温泉がたくさんあるので、案外、自転車旅が一番楽しいかもしれません。夏休みが始まると、日本中から自転車とオートバイの旅人で賑わう道です。

 ほとんど信号が無いので、油断するとすぐに免停になる道でもありますから、気を付けてください。人の居住区以外は街灯もほぼありません。

 ですから夜は星がとても綺麗に見えますよ。駐車帯もそれなりの数があり、波の音を聴きながら、星を眺める場所には困りません。肉眼ですぐに天の川を見つけられるのは、もしかすると特別なことなのかもしれません。

 本州の一般道を散々走ったあとに北海道に帰ってくると、やっぱり広くて走りやすいなぁと感じます。

小樽から稚内まで走る海岸線は別名「オロロンライン」と呼ばれる。風力発電の風車がズラリと並ぶ道としても有名
小樽から稚内まで走る海岸線は別名「オロロンライン」と呼ばれる。風力発電の風車がズラリと並ぶ道としても有名

 都市部を離れた単車線道路なら道幅はそれほど変わらないと思いますが、北海道の場合、車道の外側には広い歩道があり、家があったとしても歩道から更に距離がありますから、軒下を走るような場所がありません。圧迫感の無い空間と、二車線取れそうな一車線道路は北海道ならではです。

 路肩の広さには理由があり、冬の雪を押し避けるスペースなんです。酷い大雪が降ると雪は路肩を占領し、積み上げられた雪の高さは3mを超える場所もあります。

 いくら除雪体制が整っていても、とりあえず雪を横に避けるスペースがなければ拡幅作業ができません。そんな事情が道の広さを作り出しています。北海道には玄関のドアを開けたらいきなり車道なんて家はありません。

 北海道の道をくまなく何十年も走っていますが、不思議なほど飽きません。季節の移り変わりは気持ちが追い付けないほど激しく早いですし、頻繁に出会う野生動物の数も種類も豊富です。一番の魅力は手付かずの自然が多く残っていることです。人がなんにもしないことの重要性を実感できますよ。

 北海道を楽しむためなら観光地へ赴く必要はありません。クルマを一台借りて、街を抜けたらそこから見どころが始まります。

 人の少ない宿泊施設や温泉を探すのも簡単です。北海道の道は、ちょっとした海外ドライブの感覚を楽しめますよ。

【画像ギャラリー】トラックドライバーが綴る北海道ならではの思い入れの深い道(7枚)画像ギャラリー

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