インドネシア国際オートショーで「キャンター」の60周年記念限定車と新型バス完成車モデルを発表!? 本家・日本にないクルマが現れた理由とは? 

キャンターの「新型バス」?

新型キャンターバス。標準幅ロングボディ完成車の新型である。架装メーカーのPT.トリジャヤ・ユニオン社は、三菱ふそうバス製造の前身・呉羽自工の技術援助で1982年からバス車体の製造・架装をスタートし、現在はいすゞ、日野のシャシーをベースとしたバス架装も行なっている
新型キャンターバス。標準幅ロングボディ完成車の新型である。架装メーカーのPT.トリジャヤ・ユニオン社は、三菱ふそうバス製造の前身・呉羽自工の技術援助で1982年からバス車体の製造・架装をスタートし、現在はいすゞ、日野のシャシーをベースとしたバス架装も行なっている

 インドネシアでは、日本にはない「キャンターバス」というクルマも生産・販売されている。GIIASでは、その新型モデルも発表された。本誌はトラック専門なので、ちょっとだけ紹介しよう。

 キャンターバスは、キャンターのキャブ付あるいはキャブ無シャシーをベースに、バスボディを架装したクルマである。今回の新型バスはキャブ付「4輪」シャシーベースで、よくみるとフロントまわりはキャンター標準キャブ車のまま、ハイルーフなバスボディを一体化していることがわかるが、フラッシュサーフェス化された大きな客席窓は、欧州バス車体メーカーの観光系バスを思わせるようなデザインである。

 実際、新型バスは観光ユースをより強く意識したもので、従来型に対しバスボディを延長して、客席シートの前後ピッチ(間隔)を拡大するとともに座席増が可能となり、展示車はドライバー1人+乗客19人の定員20人となっていた。標準仕様がないので直接比較はできないが、3人ほどの定員増になるらしい。トランクスペースも拡大しており、最後列のシートを折りたたむことで、荷物スペースをさらに増やすこともできる。

 ドア配置はインドネシア独特で、助手席2席を除く客席シートは5列あり、前2列(7人)用の乗降ドアと後3列(10人)用で2つ、助手席を加えると左側だけで3つの乗降ドアがある。後3列のうちの後方2列へは、左側後輪のタイヤハウスを乗り越えつつ細い通路でアクセスするが、ハイグレード仕様のハイバック型レザーシートはゴージャスなムードだった。なお、リアにはワンボックスバンのような大型の跳ね上げ式ドアがある。

 KTBによると、このバスボディは、KTBが現地バス車体メーカー(PT.トリジャヤ・ユニオン社)へ生産・架装を委託しているもので、一般的な民需架装とは異なり、KTB独自の品質要件のもとで製造されるという。

 ところで、このクラスの小型バスといえば、三菱ふそうオリジナルの「ローザ」があり、新興国向けなど海外輸出で実績もある。にも関わらずインドネシア市場では、現地製ボディを架装した独自のバス製品としているのは、現地ユーザーからの多様な架装ニーズに応えられるメリットがあり、納期やコスト面で国産車が有利なため、とのことだった。

大型バスのようなスクエアなボディは、タンブルフォームの日本車よりも堂々としている。新型のリアオーバーハング部はかなり延長された。前後ともリジッドアクスル+リーフサスペンション
大型バスのようなスクエアなボディは、タンブルフォームの日本車よりも堂々としている。新型のリアオーバーハング部はかなり延長された。前後ともリジッドアクスル+リーフサスペンション
【画像ギャラリー】「キャンター60周年記念特別仕様車」「新型キャンターバス」とはどのようなクルマ? (10枚)画像ギャラリー

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