メーカーによる「囲い込み」はしない
フェンローの充電ハブが稼働を開始したことは、マイレンスのビジョンを実現するための最初の一歩だ。
フェンローは欧州の国際輸送においては戦略的な要衝で、欧州全域にロールアウトを予定しているマイレンスの大規模公共充電ネットワークの最初の拠点としては理想的な場所だという。
トラック・パーキング・フェンローはトラック専用の充電ソリューションを備えたトラック用駐車場としてもオランダで初めての施設となる。
マイレンスはトラックメーカー3グループ(ブランドで言うと「メルセデス・ベンツ」「ボルボ」「ルノー」「スカニア」「MAN」の5つ)の合弁だが、フェンローの施設と同社が今後開設するすべての充電施設は、トラックのブランドに関わらず利用できるオープンな充電網となる。
これを保証するため同社は、欧州の電動モビリティのプロバイダーと合意書を締結するためのプロセスを進めている。またアドホックな(一時的な)支払いソリューションも利用可能になる予定だ。
併せてユーザーフレンドリーなアプリも開発した。このアプリをつかえば、充電場所を見つけたり、充電状況の監視や支払いなどが簡単に行なえる。現在は予約システムの開発も進めており、充電プロセスにディーゼル車の給油と同程度の信頼性を確保することを目指す。
当初の利用料金はVAT(付加価値税)と取引手数料を除いて1kWh当たり0.4ユーロ(約62円)に設定されている。この料金はマイレンスが運営する充電ハブ全てに適用され、アプリや充電ステーションの表示を通じて適用される料金を確認可能だ。
料金を変更する場合はマイレンスが(事前に?)通知するそうだ。
ロードマップと持続可能性へのコミットメント
マイレンスは環境にやさしいソリューションに対して、あらゆる段階で投資している。
施設で利用する電力は全てグリーンエネルギーで、建設にはサステナブルなコンクリートを採用した。これらは信頼できる充電体験を提供するとともに、充電ハブ自体の環境フットプリントをできるだけ小さくするために講じられた対策のほんの一部に過ぎない。
フェンローのハブがベネルクス地方(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)で最初にオープンしたが、最近アナウンスされたアントワープとヘント(どちらもベルギー)の施設も2024~2025年に続く予定だ。
マイレンスは他にも欧州の重要な物流道路沿いに既に複数の拠点を確保しており、2024年中にオープンする予定だ。
マイレンスのCEOを務めるアーニャ・ファン・ニールセン氏は熱意を込めて次のようにコメントしている。
「フェンローで充電ハブをオープンできたことは、持続可能な輸送に向けた移行を加速するという私たちの旅路において記念すべきことです。
約1年前に発足したマイレンスは、欧州のトラック電動化を支えるため大規模充電ネットワークを作ることをお約束しました。最初の充電ハブが開設され、私たちが掲げるロードマップと併せて、すべてのトラックのための信頼できる充電ネットワークが早くも形を表しつつあります。
化石燃料フリーの欧州が始まったという自信を市場に与えることができて、関係者・パートナーの皆様とともに、大変うれしく思っています」。
【画像ギャラリー】欧州トラックメーカーが合弁で開始した大型車の「充電ハブ」を画像でチェック!(6枚)画像ギャラリー