いすゞ自動車は1月5日、小型BEVトラック「エルフ ミオEV」を発売した。物流の2024年問題が現実となる今年、現行の運転免許制度で多数派となる普免取得者でも運転可能として、小口配送(ラストワンマイル物流)に携わるドライバーの確保につなげるとともに、大手物流企業が取り組むカーボンニュートラル輸送にも対応したトラックとして投入する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/いすゞ自動車、フルロード編集部
先細る小口配送ドライバーの人材確保
現在、小口配送で大量に普及しているキャブオーバー小型トラック(2トン積み車)は、クルマの車両総重量(GVW)が3.5トン以上ある。
ところが、2017年3月12日から施行された現行の運転免許制度における普通免許は、GVW3.5トン未満までが運転可能で、『2トン積み車』の運転には「準中型」以上の免許が必要となっている。
現時点では、改正前の普免取得者(旧制度はGVW5トン未満まで、その前の旧々制度はGVW8トン未満まで運転可能で、既得権としてその条件が継続される)がまだ多いものの、改正後の免許取得者では『2トン積み車』を運転可能な人が激減するため、運転資格もドライバー不足に追い打ちをかけることになる。
そこでいすゞ自動車では、GVW3.5トン未満・最大積載量1トン級の、新しい小型トラックの開発を進めてきた。
ディーゼルの「ミオ」に先行して発売
いすゞは昨春、小型トラック「エルフ」を16年ぶりにフルモデルチェンジし、同時にEVモデルの「エルフEV」も発売した。
いずれも運転免許として準中型以上の免許が必要な、GVW5トン以上のクルマであるが、このときGVW3.5トン未満の普免対応モデル「エルフ ミオ」の導入計画を明らかにしている。昨秋のジャパンモビリティショー2023で、エルフ ミオのディーゼルエンジン搭載車を参考出品していたことは、記憶にも新しいところだ。
今回、そのディーゼル車に先行して、バッテリーEV(BEV)の「エルフ ミオEV」がデビューした形となる。