革新的タンクボディと地上支援業務の電動化
車両のバッテリーで電動ポンプを駆動する「ダイレクト・アクチュエーション」というコンセプトは航空機給油用としてはユニークなもので、4万リットルのタンクから様々な航空機への給油が可能になる。
実際の運用では1日の業務のうち、少なくとも1時間を車両の充電時間とすれば、途中充電をせずに車両とボディが必要とする充分なエネルギーを確保できる計算だ。
ポンプは1分間に1500リットルの燃料を流すことができるので、一般的なチャーター機を満タンにするのに20分もかからない。もちろん航空機のタンクが完全に空になることはまれなので、通常はもっと短い時間で済む。
安全性に係るコンセプトは、メルセデス・ベンツとエステラーの専門家が共同で実装した。これには、技術的なソリューションのほか、人員のトレーニングも含まれているそうだ。
シュツットガルト空港は排出する温室効果ガスを2040年までにゼロとする独自の目標を掲げている。そのために2030年までに地上支援車は全て環境ニュートラルとする予定だ。現在までに乗客の移動に用いるバス、荷物運搬用のトラクタはすべてBEVとなった。次に電動化を目指しているのが航空機給油車というわけだ。
このプロジェクトは実際の業務内容から必要な充電プロセス等を定義・理解し、最適化するのを助けるとともに、他の空港や別の分野に適用するための「ライブデモ」としても機能することを目指している。
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