さすがトラック用の1.9リッターディーゼル
RZ4E型1.9Lディーゼルエンジンは、以前から欧州向けで設定しているエルフGVW3.5トン車型や、ピックアップトラック「D-MAX」およびSUVの「Mu-X」に搭載されている小型商用車用エンジンで、日本市場では初登場です。
電子制御コモンレール燃料噴射システム、可変ジオメトリーターボ、DOHC、気筒あたり4バルブを備える直列4気筒エンジンで、エルフミオ用は低回転域でフラットなトルクを発生するようチューンされており、最高出力120PS/3000-3200rpm・最大トルク32.6kgm(320Nm/1600-2000rpm)という数値は、D-MAXなどとは異なるものになっています。
排ガスの後処理システムには、酸化触媒とディーゼル黒煙低減装置(DPD)、尿素SCRを搭載し、エンジン補機のEGR(排ガス再循環)システムとして、ホットEGRとクールドEGRの2系統も組み合わせています。これら排ガス浄化システムの組み合わせと制御も、日本向けに開発されたものです。
6速オートマチックはトルクコンバータ式で、アイシンが開発した小型商用車用ATを搭載しています。こちらも欧州向けエルフとD-MAX/Mu-Xの各AT車で採用されています。
試乗時は、キャビンに大人2人または3人が乗ってエアコン全開(外気温は35度)、荷台には500kgのウエイトを積んでトータル3トン前後……という状態で、GVWに対しては84~85%ほどの重量になります。しかしATなので、転がりだしはごくイージーで気難しさはありません。
いまどきの小排気量ディーゼルとあって、スムーズに軽く回り、ディーゼルトラック初心者にも馴染みやすいフィーリングです。あまり回さなくとも骨太なトルク感は、さすがトラック用のディーゼルエンジンという印象。ところが一気にアクセルを踏み込むと、びゅんびゅんシフトアップして、想像した以上に早いペースで時速60kmに到達、さらに80kmへ向かって伸びていくあたりは、制限速度の高い一般道や高速道路などでも走らせやすいと思われました。