発炎筒は、筒状の本体内部に詰められた発炎剤が燃えることで上がる炎の灯りで、後続車に事故や故障などで止まっているクルマの存在を知らせるためのアイテム。JIS規格では「自動車用緊急保安炎筒」と呼ばれており、点火から5分以上燃焼するよう規格が定められている(kurosuke@Adobe Stock)
同じ「ハツエントウ」の名で呼ばれる「発煙筒」は、文字通り点火することで大量の煙を発し、山や海での遭難時に救助を求める場合などに使用するもの。道路上での使用は煙による視界不良につながり、事故の原因となる可能性があるため非常に危険だ (misu@Adobe Stock)
夜間や雨天時など、視界が悪いシチュエーションでの事故やトラブル時には、周辺を走るクルマに危険を知らせるため、一般道であっても発炎筒を使用したい。いっぽうで、発煙筒ほどではないが発炎筒からも煙が出るため、視界が悪くなる可能性があるトンネル内などでは、安全性を考えて使用を控えよう
発炎筒のなかには、ゲリラ豪雨などによる洪水でクルマが水没した際に窓ガラスを割って脱出するためのピックが備わったものも。またLED式では懐中電灯としても使える多機能タイプもある
高速道路での故障や事故など、やむを得ない理由によってクルマを停車させる場合、発炎筒とともに三角板こと停止表示板をクルマの後方に置く必要がある。これを怠ると「故障車両表示義務違反」となり、違反点数1点、普通車で6000円の反則金が科される
トラブル時以外は使う機会がない発炎筒だけに、その使い方を知らないという人は案外多いのではないだろうか。基本的にはマッチで火をつけるのと同じ要領だが、万一の際に慌てないよう、本体に記載されている使用方法はあらかじめ確認しておきたい
有効期限がなく、点灯時間も長いことから近年注目を集めるLED式発炎筒こと非常信号灯。とはいえ、電池が切れていると使用できないため、予備の電池や従来型の発炎筒と併せて車載しておくと安心