1998年のセルフスタンドの解禁を機に、給油中の静電気による火災事故が散発。総務省消防庁の報告書では、2001年からの5年間で、セルフスタンドで人体に帯電した静電気を十分に除去しなかったことによる火災は18件発生。なお火災発生は冬場に集中している(PHOTO:写真AC_photoB)
冬は、重ね着するため静電気が発生しやすく、空気の乾燥によって帯電した静電気が逃げにくい。そのため、金属などに接触すると、一気に放電が発生(PHOTO:Adobe Stock_komta)
静電電圧が高いとき、金属などとの間隙が狭くなると、接触する前に空気中で絶縁破壊を起こし、空中に火花が飛ぶ。これが静電気による放電だ(PHOTO:写真AC_コメット)
目に見えないが、給油口付近にはガソリンの蒸発ガスが浮遊。ここに、静電気による火花が飛べば、着火して火災に至るリスクが(PHOTO:写真AC_テクスチャ写真素材LA)
黒いゴムでできた静電気除電パッド。内部に炭素系の粒子が練り込まれ、適度な導電性を持たせて、人体に帯電した静電気を人間が感じないような電流でアースに逃がす(PHOTO:写真AC_ Art_tetsu)
静電気除去パッドに触れる以外にも、クルマから降りたときに地面に手をつく、アースの取れた金属に触るなどすれば、静電気を体から逃がすことができる(PHOTO:写真AC_ライムル)
2000年以降は、給油ノズルの改良や静電気除電パッドの普及が進んだことで、火災事故は減少している。また、環境保全の観点からも、ガソリン蒸気を外に漏らさない工夫が取り入れられるなどで、給油時の火災事故発生の可能性は低下してきたが、発火する可能性はゼロではない。給油前には確実に静電除電パッドにタッチを(PHOTO:写真AC_助監督)