スバルSTIが示したふたつのパフォーマンスモデル!! BEVとICEの対比がなんとも熱い!!

スバルSTIが示したふたつのパフォーマンスモデル!! BEVとICEの対比がなんとも熱い!!

 ブランドの核を際立たせる。スバルはジャパンモビリティショーで、走りの「STI」と冒険心の「ウィルダネス」を二枚看板に据えた。そのなかで、STIから登場したパフォーマンス-E STIコンセプトとパフォーマンス-B STIコンセプトは、独特の存在感を放っていた。

文:ベストカーWeb編集部/写真:西尾タクト、ベストカーWeb編集部

【画像ギャラリー】STIが提案する2台のパフォーマンスモデルが尖ってて素敵!!  ディテイルをよく見て!!(9枚)画像ギャラリー
▲スバル渾身のB STIコンセプトとE STIコンセプトをレポートする動画、こちらから!!

パフォーマンスツアラーの新境地

ロングホイールベースで重心を下げつつ、家族や仲間のスペースはちゃんと確保。「毎日使える戦闘力」というキャッチが似合う
ロングホイールベースで重心を下げつつ、家族や仲間のスペースはちゃんと確保。「毎日使える戦闘力」というキャッチが似合う

 パフォーマンス-E STIコンセプトは、BEVのアドバンテージである低重心や高い応答性、レイアウト自由度を徹底活用し、「運動性能」と「実用性」を正面から両立する。

 低床に電池を敷き詰めつつ全高を抑え、広いキャビンと良好な視界を確保。スバル360から継承される人中心パッケージングを、電動時代に再構築した。

 スタイルからも伝わるとおり、空力は徹底的に追求されている。ホイールハウス周りの整流を突き詰め、乱流低減とブレーキ冷却、造形の緊張感を同時に成立。

 ダウンフォースとCdの緻密なバランスを実走行域で効かせ、低いフードは視覚的な重心を下げつつ、アグレッシブでありながら破綻のないプロポーションを実現する。

 さらに、高応答・高精度なモーター制御により、トルクの立ち上がりを“語る”ように調律した。騒音や振動は単に消すのではなく、意味のある情報へと変換。メーターではなく耳と手で限界を感じ取れる味付けがなされているという。

「静かなのに昂ぶる、優しいのに鋭い」という矛盾の調和。パフォーマンス-E STIコンセプトは、新世代STIのベンチマーク候補に名乗りを上げた。

操る愉しさ回帰宣言

WRXの後継モデルなのかとの疑問に対しては「WRXがすでに完成度を極めたモデルとするならば、パフォーマンスB-STIコンセプトは徐々に育てていくキャラクター」とのこと
WRXの後継モデルなのかとの疑問に対しては「WRXがすでに完成度を極めたモデルとするならば、パフォーマンスB-STIコンセプトは徐々に育てていくキャラクター」とのこと

 一方、パフォーマンス-B STIコンセプトは、2025年6月のスーパー耐久富士24時間レースの現場で「スポーツモデルの開発を進行している」とサプライズ宣言された約束を具現化した1台だ。

 現時点では量産前提の決裁は未了だが、どうしても今伝えるべきメッセージがあり、公開に踏み切ったという。

 同車は、既存の技術とアセットを徹底的に磨き込み、余分な足し算をしないシンプルな処方を採用。コンパクトなボディに水平対向エンジン+シンメトリカルAWDを組み合わせ、トランスミッションは6速MTだ。

 絶対的な速さよりも“操る歓び”の純度を優先する、ある種の「時代への逆説」ともいえるアプローチである。なお、搭載される水平対向エンジンは新開発のユニットを想定しているが、詳細は後日明らかにされる見込みだ。

 また、これまでとは異なる販売アプローチに挑戦するのも大きなトピックだ。発売して終わりではなく、ソフトウェアのアップデートでクルマを磨き続ける思想を提示する。

 今回の展示車両はかなり尖った仕様だったが、あくまでひとつのアップデート例に過ぎず、市販化のタイミングでは異なるカタチになる可能性が高い。

 STIが提案する二台のスポーツモデルの“正式な答え”が示されるのは、もう少し先になる。けれど、すぐ完成にこぎつけなくていい。あらゆる妄想の余韻に浸る。その楽しみを、今日から存分に味わえるのだから。

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