「ジャパンモビリティショー2025」東7ホール奥にあるシブいブース。「タイムスリップガレージ 1980s to 1990s」と掲げられ、戦後から現代までの名車をテーマ沿って展示してある。アラフォー以上のおじさんたちは、ジャパンモビリティショーに来たら必ずここに立ち寄ってほしい。みんなの青春時代のクルマが、バッチバチに揃っているぞ。
文/写真:佐々木 亘
【画像ギャラリー】まさにバック・トゥ・ザ・フューチャー! ジャパンモビリティショー2025は未来への技術と過去の名車盛り沢山!!(10枚)画像ギャラリー足を踏み入れたらそこはバブルからミレニアムまでの過去
ゲートをくぐるとそこはバブル期から1990年代の日本。時代を象徴する名車たちが展示してあり、筆者も足を踏み入れた瞬間に「うわぁ懐かしい」と声を出してしまった。
まず迎えてくれるのはデロリアン。テーマとなっているのがタイムスリップなので、おあつらえ向きな車種選定だろう。ジャパンモビリティショーでの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がスタートするのだ。
街の遊撃手、いすゞのジェミニとワゴンブームの火付け役レガシィが隣同士に並ぶブース内。反対側に視線を移すと、1991年に登場し世界の度肝を抜いたセルシオが超美しい状態で展示してあるではないか。1980年代後半から90年代初頭の名車が、ピッカピカの状態で飾ってあるのだ。
この時代に愛車を乗り回しブイブイ言わせていたアラカンおじさんも、お父さんが乗る家のクルマがこれだったというアラフォーおじさんも、多くの人が懐かしいと思える車種チョイスは見事。ブースへ入って数秒で、筆者の心も昭和から平成へ年号が変わった頃へと巻き戻されていた。
若い人にもぜひ見てほしい
モータースポーツエリアも秀逸。速さへのあこがれというエリアには、1980年代から90年代のモータースポーツで活躍していた名車を数多く展示している。1000湖ラリーで活躍したグループA仕様のランサーエボリューションIIIや、サンレモラリーで優勝したインプレッサ555、ダカールラリーを制したパジェロも展示。もちろんマクラーレンホンダのF1もあるぞ。
日本中がモータースポーツに大熱狂していたことは、現在では想像するのが難しい状態。クルマが非常に元気だった時代、モータースポーツでも日本のクルマがこれだけ活躍していたということを、若い世代にもぜひ知ってもらいたい。そして、現代のモータースポーツを少しでも盛り上げてほしい。
そして『頭文字D』を意識したかどうかは分からないが、FD型RX-7とAE86型レビンが横並びに展示してある箇所もある。この時代のクルマを見ていると、クルマというものが「文化(カルチャー)」であったということが、非常によく分かる。
名車はいつ見ても名車だ
ブース内を反時計回りにぐるりと回っていくと、終盤に出会うのが1993年登場の初代エスティマ。天才タマゴと呼ばれたアイツだ。昨今は赤いミニバンもほとんど見なくなったが、当時の人気色だったワインレッドのエスティマが、びっくりするほどきれいな状態で展示してある。
エスティマ自体もフェードアウトして久しく、その初期型となれば若い人は見たこともないだろう。しかしながら、90年代の名車はデザインに古さを感じさせないのがまたすごい。改めて名車はいつ見ても名車だと感じさせられる。
そして21世紀になる少し前。21世紀に間に合いましたと登場したのが、初代プリウスだ。今では当たり前のハイブリッド技術はココから始まった。
「タイム・スリップガレージ 1980s to 1990s」を見て、オジサンが懐かしむのもヨシ。そのおじさんの子供たちが「アレ何?」と、お父さん(おじさん)に質問しながら親子で楽しむもヨシ。いろいろな楽しみ方ができる展示だと率直に思った。
最新技術をたくさん見られるモビリティショーにおいて、感慨に浸るとは思ってもいなかったが、それもまたいい。東エリアの最も端にあるタイムスリップエリア。ここには古き良き時代のワクワクがあった。













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