NHKの記者からモビリティショー開催の意義とスタートアップとの連携への期待を問われた佐藤会長は、「国際競争に打ち勝つには産業構造そのものをトランスフォームする必要がある」としたうえで、出口戦略に悩みを抱えがちなスタートアップと自動車産業がつながることで大きな変革につながると答えた。
朝日新聞の記者からの社会実装のスピードアップに関する質問には、新野会長が「小さく始めて、そこで出た課題を一つずつ解決していくしかない」と回答。佐藤会長も「自動運転であれば特定の行政区域で走らせ、得られたナレッジを横展開していく」というスモールスタートの考え方を重ねて強調した。
データ基盤整備の具体策を問われた佐藤会長は、電池の製造情報から使用履歴までを内包する「電池のエコシステム」を例に挙げ、特定テーマごとにデータを集約する実装を積み重ね、必要に応じて統合していくやり方になるだろうと説明した。
報道陣からは、AIを使ったサイバー攻撃の増加や情報流出への懸念も投げかけられたが、新野会長は「100%守ることは技術的に難しいが、重要な情報を隔離し、攻撃を受けた際に瞬時に遮断する技術は進化している」としたうえで、「だからといって新しい産業創造にブレーキをかけてはいけない」と言い切った。
佐藤会長も同じ認識を示し、データ基盤に公共性と堅牢性を持たせる努力を重ねながら、前に進むエネルギーを止めない姿勢を強調。最後に両会長は固い握手を交わし、45分ほどの”練り歩き”イベントは締めくくられた。
「技術で勝ってビジネスで負ける」という日本の弱点を、両トップは手段の目的化と社会実装の遅れという共通言語で語り、「ナラティブなゴール」の共有と、競争と協調の線引きという処方箋を示した。自動車とITという組み合わせが、今後どんな「社会実装」を具体化していくのか。「クロスセクター」の化学反応は、始まったばかりだ。
結果を、両業界・それぞれの会社の融合による成果を期待したいし、そうした成果をきちんと説明し続けられるメディアでありたい。
【画像ギャラリー】「技術で勝ってビジネスで負ける」はもう終わり!! 自動車とIT、佐藤会長×新野会長が語った日本の多様性、人材、勝ち筋(4枚)画像ギャラリー




コメント
コメントの使い方