■クルマとは違うヤマハならではの心地よさ
最後に竹野氏は次のように語ってくれた。
「クルマのような快適はないけども快感はある。トライセラの操縦席にはあえて屋根も窓もドアもつけていません。ヤマハはオートバイを作っている会社なので、風を全身で感じることが、走る楽しみの大きな一つでもあり、ヤマハとしては意地でも守るところです。」
こうしたヤマハの思想は、今後も守り続けてほしい。
ちなみにトライセラは、スイッチを入れるとフロントのスクリーンが出てきて、電動ファンが回りエアカーテンを作り出し、直接操縦者の顔に風が当たらないようになっているという。
ただ、そうまでしてもフロントウィンドウは付けない。クルマのような快適性とは違う、ヤマハならではの切り口「操縦の楽しさ」をどこまで追求できるのか。新たな探求は既に始まっているのだ。
ブース内には電動バイクのほかにも、グランドピアノやギター、ドラムセットにチェロといった多数の楽器も展示されていた。美しい音色を奏でる木材加工の技術や音へのこだわりは、今後もヤマハ全体に引き継がれていくのだろう。
気持ちの盛り上がりを各所で感じられたジャパンモビリティショーのヤマハブース。まさに、「生きる」を感じ、生きていることで感じられる喜びを噛みしめられる場所になっていた。
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