夏向を新たに支える名エンジニアは藤原拓海のかつてのライバル!! 『MFゴースト』を彩る人物列伝07 奥山広也 編

■神奈川プライドをかけた戦い

「芦ノ湖GT」終了後には、奥山、緒方、夏向による3者で、今後の86のチューニングメニューを決めるミーティングを開催。スープラへの乗り換えを主張する緒方に対して、奥山は拓海が口にしたターボプロジェクトを支持し、「86にトコトンこだわっていくなら、それはそれでメカ屋としてはおもしろいと思ってる……」と発言している。

 これはかつて奥山自身が経験した、AE86のような非力なマシンでもチューニング次第でモンスターマシンに勝てるという矜持のようなものであった。実際に、フラットトルクで扱いやすい300馬力のターボチューン86を完成させ、ラウンド3「ザ・ペニンシェラ真鶴」の予選ではコースレコードを樹立。最終予選グリッドを3位とし、600馬力のモンスターマシンの間に割って入る大番狂わせを演出した。

 決勝レースでは、緒方とともにセコンドブースに入り、86を見守りながら緒方をサポートしている。どうやら夏向というドライバーに惚れ込んだようで、「まちがいなく師である藤原を超えるスケールの天才ドライバー」と夏向を評している。

 作中では、「群馬勢が構築して、でかく育て上げたMFGを……少しでもひっかきまわすことができるなら……神奈川勢の残党としてはせめてものささやかな自己主張だ…」とも発言している。これこそ、高橋兄弟や藤原拓海が作り上げた神話のような「群馬プライド」に対抗する、「神奈川プライド」である。

 MFGのコースはすベて神奈川がベースであり、自身の出自に誇りを感じている奥山広也が、今後も夏向にとって不可欠なピースとなっていくに違いない。

■掲載巻と最新刊情報

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