■兄のように慕う啓介との変わらない間柄
そして『MFゴースト』の時代になり、高橋啓介が現在の姿を初めて現したシーンで、ケンタも同時に登場することになる。啓介の肩書きが「TKマッハコーポレーション 代表取締役」であるのに対し、ケンタの肩書きは「同 不動産部門チーム」となっていて、どうやら現在は、若い頃から憧れて兄のように(一方的に?)慕っていた啓介が経営する企業に勤めている様子だ。
若い頃は髪が長めで、前髪もサラッとたらしていたが、現在ではオールバック。それもかなりハードな整髪料で固めている感じで、このせいか隣にいる年上の啓介より老けて見える。肌は、若い頃から焼いていたのか地黒なのかはわからないが、とにかくおっさんになっても黒い。チャームポイントである太眉とたらこ唇も変わっておらず、輪郭が丸くなった以外は、今もなんとなく面影がある。
ケンタが勤めている「TKマッハコーポレーション」が手がけているのはカーパーツ開発・製造業のようだが、どうやら不動産事業にも手を出しているようで、ケンタが所属しているのは後者の「不動産部門チーム」。啓介曰く「うちの収益の柱は今や不動産」ということで、ケンタもそちらの部署で力を発揮しているようである。
とはいえ、ケンタも「パーツの開発に戻してくれるんですか?」と発言しているが、やはり元走り屋ということで、かつてはクルマ関連事業を担当し、今もそちらで働くことを希望している。これに対して啓介は「すぐにはムリだ…パーツはもうからねえし…」と言って、この思いをあっさり否定。さらに「おまえには地上げのセンスがある」と言っており、啓介にうまいこと言いくるめられているのは、『頭文字D』の時代から変わらない2人の関係性を感じられるシーンである。
■群馬の後輩である諸星瀬名への期待
次に登場するのは、MFGラウンド2「芦ノ湖GT」終了後、場所はまたしても横浜ランドマークタワー内にあるTKマッハコーポレーションの啓介のオフィスである。ここでケンタはたまたま通りがかったのか、啓介が涼介に電話をかけている場面に出くわすと、「ひょっとして諸星瀬名の件ですか?」と勘の良さを働かせている。
ケンタの読み通り、いよいよMFGラウンド3「ザ・ペニンシュラ真鶴」で諸星瀬名をデビューさせるということで、その知らせにケンタも驚きと喜びを隠せない。ケンタもかつては(拓海に完敗したものの)赤城レッドサンズではそれなりの地位にいたドライバーだっただけに、啓介が育成してきた瀬名の実力をよくわかっていて、また期待もしているのだった。
キャラクターとしての重要度的に、今後、さらに登場シーンが増えるかどうかはわからないが、数多く登場しているMFG統括本部長である上祐史浩とのカラミや、後輩である諸星瀬名との会話など、『頭文字D』ファンが見たいと思っているシーンはいろいろ想像できる。ただ、それがいつになるか、そしてケンタがTKマッハコーポレーションのカーパーツ部門に戻れるかどうかは、神(しげの先生)のみぞ知ることである。
■掲載巻と最新刊情報
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