ローンの支払い方法には、元利均等返済と元金均等返済の2種類がある。両者の仕組みを理解して使いこなすと、ローンの総支払額が少なくなり得することもあるのだ。今回はクルマの賢い買い方とローンについて解説!!
文/佐々木亘 写真/ベストカー編集部
■給与所得者が無理なく使える元利均等返済
給与所得者のように、毎月決まった時期に決まった額の収入がある人が使いやすいのが元利均等返済だ。
個人向けローンの多くで標準的に使われているこの支払方法は、元金と利息を合わせた月々の支払い額が、常に一定になるという特徴がある。ローンの期間中、支払額が常に一定なので、給与収入世帯では収支計画を作りやすくなり、支払資金の準備もしやすい。
一方で、支払額が一定というところにデメリットも生じる。
ローン開始当初は、支払額の内訳で元金よりも利息の割合が高くなってしまうのだ。つまり、返済当初は、借入元金の減りが遅くなっていくということ。また、初めのうちは元金の減りが少なく、支払期間中にかかる利息の額も多くなる。
自動車ディーラーで申し込むクレジットや、銀行のマイカーローンの多くは元利均等返済となっている。しかし、中には返済方法を元利均等か元金均等か選ぶことができるものがあり、ローンの総支払額を減らしたいなら、次に紹介する元金均等返済を選ぶ方が良い。
■メリットの多い元金均等返済
元金均等返済は、個人向けローンではあまり馴染みがないだろう。法人向けの融資で多く使われる返済方法であり、その特徴は毎月の支払金額における元金の金額が、一定に保たれるというものだ。
つまり毎月の返済金額は、一定金額の借り入れ元金と変動する利息金額の両方となる。借り入れ当初は元金にかかる利息が多くなるため、月々の支払額が最も多くなるが、返済期間が後半になればなるほど、元金が減り利息も小さくなるため、月々の返済額が減っていくのだ。
元金均等返済を選ぶ最大のメリットは、借入元金が早く減っていくということ。同じ借入期間なら元利均等返済と比べると、元金均等返済の方が元金と利息を含めた総支払額が小さくなるのだ。
月々のローン支払い額に余裕があり、無駄に利息を払いたくないという人は元金均等返済を選ぶと良い。銀行経由のマイカーローンでは、支払方法を元利均等返済か元金均等返済か選択できるところも少なくない。
■ボーナス支払いアリは利息の滞留を招くことも
自動車ローンでよく選ばれるのが、毎月の返済金額に加えて、年に2回のボーナス払いを併用するケースだ。しかし、こちらも利用する際には仕組みを正しく理解した方が良い。
ボーナス併用払いでは、ボーナス払いの際に大きく借り入れ元金が減らせる。ただし、そのタイミングは年に2回だけだ。およそ半年の間、借り入れ元金の減るスピードが遅くなり、利息が余計にかかるケースがある。
自動車ローンを組む際には、先に挙げた返済方法の選択に加えて、ボーナス併用払いとボーナス払いを利用しないケースで、どれだけ総支払額(元金+利息)が変わるのかを確かめてから申し込むといいだろう。
利息や総支払額が、ローンの組み方でどのように変化するのかを見定め、支払いやすく得になる借り入れ方法を詳しく検討してほしい。
何百万円ものローンを組むのは、人生の中で数えるほどしかない。金融の仕組みを理解して、ローンに振り回されるのではなく、ローンを上手く利用できると、カーライフもより豊かになっていくだろう。
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