2012年に登場以来、改良が加えられ進化を続けてきたアテンザが、さらに強力な武器を手にした。
アクセラに続くGベクタリングコントロールの搭載だ。見た目はさほど変わらずとも、中身の大きく進化したアテンザの魅力を確かめる。
文:鈴木直也/写真:平野 学
ベストカー2016年10月26日号
「走りのよさ」にさらに磨きがかかる
アクセラに引き続き、アテンザに商品改良モデル(マツダはマイチェンって言わないようにするらしい)が投入された。
目玉はディーゼルエンジンの静粛性とパフォーマンス向上、そしてアクセラ同様Gベクタリングコントロールの採用だが、外装にはまったく手を入れず、内装も加飾パターンの変更程度。
あとは新色の“マシーングレー”が追加された程度で、ぶっちゃけあんまり「変わった感」はない。
もちろん、新旧乗り比べれば走りは明確によくなっている。走り出せばすぐに静粛性が顕著に向上しているのが理解できるし、例のGベクタリングも効いている。
アクセラの時にも書いたとおり、切り替えスイッチがないから「なんだか首都高なんかのカーブをトレースするのが妙にイージーになったような気がする……」といった印象面での評価しかできないけど、
直進性の落ち着きやゆるいコーナーを縫って行く時のラインのキマリ方は素直に「イイじゃん!」と思えるもの。これが無料で付いてくるというのは、ボク的にはすごくお得感がある。
ただし、このへんの走りの質感向上みたいなものは、パッと見てすぐわかるものじゃないからアピールが難しい。
実際に買ったユーザーが満足して、口コミでそのよさが伝わるのを待つしかないから、エクステリアに手を入れた場合に比べると販売効果の即効性は低い。
にもかかわらず、マツダが今回アテンザの改良で「外観より中身」を選択したのは、中長期的な戦略を考えてのことではないかと思う。
ご存じのとおり、アテンザはSKYACTIV商品群ではCX-5に次ぐ古株で2012年のデビュー。たぶん、2年後くらいにはフルモデルチェンジを控えている。
その時までに、ユーザーに「アテンザの走りって欧州プレミアムにもヒケを取らないよね」という評価を浸透させたい。それが今回のマイチェン(オッと商品改良)モデルの使命ではないかと思う。
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