ホンダが送り出す7人乗りのコンパクトSUV「BR-V」。
これが日本未発売ながら、初代CR-Vを思わせるなかなかの秀作で、乗り心地は日本で人気の“あのSUV”を上回るほどだった!!
タイの国でじっくり試乗し、わかった「BR-V」の真価を、国沢光宏氏が本誌独占でお届けする。
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
ベストカー2016年9月10日号
BR-Vは日本にジャストサイズの7人乗りコンパクトSUV
「日本に導入したらジェイドやグレイスよりずっと売れそうなBR-V」が今年、タイで発売された。どんなクルマなのか紹介したい。
まず車格。『ブリオ』という新興国向けのコンパクトカーをベースとしたSUVで、タイの価格設定を見ると、フィットより高く、ヴェゼルより安い。
日本で売るとすれば、3列シート付きの1500ccが170万円くらいのイメージか。初代CR-Vより安価。最安値の3列シート車になる?
実車を目の前にすると、けっこう大きい。全長4456mmでヴェゼルの4295mmより長く、車幅も1735mmあって3ナンバーサイズ。日本だとちょうどいいサイズかもしれません。3列目のシートだが、写真のように簡素ながら充分使える。
少なくとも先代フリードより居住性良好。嬉しいことに最低地上高はFF仕様でも201mm確保してあり、雪道で若干物足りなくなるヴェゼル(4WD仕様だと170mmしかない)よりずっと使い勝手よさそう。
インパネはフィットなどと共通のイメージ。ただ、使われる素材は光沢感があり、若干チープな印象も。3列目は大人が乗っても、短距離ドライブなら問題ないレベルの居住性を持つ
荒れたタイの道で鍛えられた足回りは予想以上の出来映え
では試乗といきましょう。Dレンジをセレクトしてアクセル踏むと、予想より軽快。エンジンのスペックは119ps/145Nm(14.8kgm)で車重1220kgほど。
ヴェゼルの1500cc車と同じくらいのパワーウェイトレシオである。ヴェゼルの場合、ハイブリッドより普通の1500cc車のほうがスポーティ。タイのアベレージスピードは欧州並だけれど(制限速度は高速道路140km/h。国道120km/h。皆さん+αで走ってます)、速い流れに負けないだけの性能を持つ。
意外なのが足回り。日本で売っているホンダ車の多くは荒れた道を得意としない。BR-Vの場合、穴ぼこデコボコ当たり前の東南アジアを意識して開発したこともあり、打たれ強い。
120km/hくらいで荒れた国道を走っていると、イタリア車やフランス車のようにサスペンションが動いてます。ドイツ車のようなシャッキリ感こそないものの、タフで好ましい。乗り心地は私でも納得できるレベル。そのまま日本で売れるだろう。
強いて課題を挙げるなら多少エンジン音が賑やかなことだけれど、軽自動車など相手にしない。そもそも主なユーザー層になるだろう若い人達は気にならないレベルだと思う。
気になる燃費も1000kmくらい走ってチェックしたら、60~80km/hで流した時に18~20km/l。120km/h前後というアクセル開度の大きい走り方をすると16km/lくらい。燃費いいです。アイドリングストップを加えれば充分イケるだろう。
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