燃費&予防安全もクラストップの性能に!
気になる燃費は前輪駆動車(FF)にCVTを組み合わせたガソリン車の代表的なところで、WLTCモード総合21.4km/L、市街地15.7km/L、郊外22.6km/L、高速24.1km/Lとなる。
この燃費は現行ヴィッツの1.3Lガソリンが、WLTCモードほど厳しくないJC08モードで25.0km/Lだったことを考えると、実用燃費では大幅な向上が期待できそうだ。
ハイブリッドは、1.5L・3気筒エンジンに駆動用と発電用の2つのモーターを組み合わせたものだ。
エンジン以外の成り立ちは現行ヴィッツ ハイブリッドに近いものに見えるが、エンジンは74馬力から91馬力、モーターも61馬力から80馬力と大幅にパワーアップされている。加えて前述した軽量化もあり、パワフルな走りも楽しめるに違いない。
それでいて燃費はJC08モードで33.4km/Lだった現行ヴィッツ ハイブリッドに対し、FFの代表的なモデルのWLTCモードは総合35.8km/L、市街地36.9km/L、郊外39.8km/L、高速33.5km/Lと、驚くべき数値をカタログに載せる。
実用燃費がどの程度かも非常に楽しみだ。またヤリスでは今までなかったハイブリッドの4WDも設定される。
ベーシックな1Lエンジンは、2代目ヴィッツから3世代に渡って搭載されるものだが、ヤリスに搭載されるにあたりこちらもエンジン、CVTともに改良を受けている。
なおヤリスのガソリン車はここ10年近くで当たり前になったアイドリングストップを新型車としては珍しく装着しない。
これはアイドリングストップが特に市街地での燃費向上には有効ながら、その反面12Vバッテリーの寿命が短くなるという問題もあるためと思われる。総合的な環境負荷やユーザーの負担も考えると、この選択も1つの見識といえるのではないだろうか。
注目度の高い安全装備&運転支援システムも、ヤリスは前述したように上級車に匹敵するものとなっている。
具体的には運転支援システムと自動ブレーキがセットになった「トヨタ セーフティーセンス」は、自動ブレーキは夜間の歩行者、昼間の自転車に対応するのに加え、右折時の対向車や右左折後の歩行者も検知するというトヨタで最新のものを搭載。
運転支援システムも、停止までの対応こそしないものの、先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール、操舵支援など充実した機能を備える。
注目の価格は139万円から! HVは199万円スタート
ヤリスのグレード体系はベーシックな方から1Lガソリンが「X“Bパッケージ”」、「X」、「G」、1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドが「X」、「G」、「Z」と、それぞれ3つが設定される。
価格は売れ筋となりそうな「G」で、1.5Lガソリンが175万6000円、ハイブリッドで213万円だ。コンパクトカーとしてみると絶対的に安いとは言えないにせよ、装備など内容を考えれば納得できるところではないだろうか。
また、ヤリスは魅力的なメーカーオプションも魅力的なものが多く、深く考えずに選ぶとイメージよりずっと高額になりそうなので、装備に関しては必要性を吟味して選んでほしい。
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全体的にヤリスは、これまでの情報通りの非常に力の入ったコンパクトカーであり、カローラやRAV4に続く「いい方向に変わってきたトヨタ」を象徴するモデルだ。
それだけにヤリス自体の完成度が非常に興味深いことに加え、2020年の東京オートサロンで発表されるGR-4に代表されるスポーツモデル、ヤリスから派生すると思われるトヨタのコンパクトカー群など、ヤリスは自動車業界やユーザーの生活を潤いのある豊かなものにしてくれる存在となるに違いない。
【画像ギャラリー】ヴィッツとはモノが違う!? 新型ヤリスの内外装は?
■新型ヤリス 主要諸元(HYBRID X)
全長×全幅×全高:3940×1695×1500mm
ホイールベース:2550mm
車重:1050kg
パワーユニット:1.5Lハイブリッド
出力&トルク(モーター):91ps/12.2kgm(80ps/14.4kgm)
WLTCモード燃費:36.0km/L
価格:199万8000円
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