ミライース・アルトエコ・現行型アルトを自ら購入し、長期的に実燃費を記録し続けてきたというモータージャーナリストの横越光廣氏。
3台はともにJC08モード燃費30km/Lを超えるが、その実燃費は期待に応えるものではなかった。モータージャーナリストとして横越氏が、その記録、そこで感じた思いを伝える。
文:横越光廣
ベストカー2016年11月26日号
ミライースの実燃費、夏場にエアコンを使うと13km/L台に
燃費というのは、広報車に数日乗ったぐらいでは一端しかわからない。長期にわたって生活をともにしなければ、確度の高い実用燃費には迫れない。
カーグラフィック編集マン時代、会社が購入した長期テスト車を何台かにわたってテストしたことがある。そんな経験もあったことから、自分でクルマを購入、公正なる長期テストをしたいという望みは常々あった。
それだけに、自身で購入したミライースの納車後、最初の燃費データは、ワクワクしながら確認した。メーターによれば、15km/L台で、満タン法の計測はやや下回る。がっかりはしたが、そのうちよくなるだろうという期待はかけていた。
燃費というのは乗り方や、走行コースによっても大きく変わる。後に乗り替えるアルト2台にも共通するが、乗り方はおとなしく、自分でいうのもなんだがジェントルだ。
どんな使い方をしているかといえば、近くのストアへの買い物とか、町内の用事が主で、約50km圏内の郊外路、高速道路を走る。
ストップ&ゴーが主体となる町内走行は、燃費には不利。でも、軽自動車本来の性格を考えれば、入り組んだ市街地等で真価を発揮してくれなければ意味がない。
条件面でクルマに有利なのは、積載荷が軽いこと。体重68kg前後のドライバーひとり、重い荷物もないというのがほとんどで、クルマに対しての負担は少ないと断言できる。
イースの場合、夏場でエアコンを使用すると13km/L台にダウン。30km/Lというカタログ値は何なんだと、あきれるばかりだった。メーカーの人にその点を告げても、困り顔で満足いく回答は得られなかった。なぜか、鈴鹿を9㎞/L前後で走ったレーシング・ヨタ8の逸話が頭に浮かんでは消えた。
30km/Lというカタログ値に「ユーザーをナメたらいかん」とひたすら「喝!!」
こんなものかと思ったが、いま一度、エコカーの実態に迫るべく、アルトエコに乗り替えることにした。
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