超新星 新型タフトはハスラー対抗の切り札となるか!?

 軽SUVの新星、「ダイハツ タフトコンセプト」が初公開。同ジャンルを切り開いたスズキ ハスラーの対抗馬となれるか? 実車比較で“キャラ”の違い鮮明に!

 カスタマイズカーの祭典である「東京オートサロン」だが、2020年は同時に新型車のプロトタイプのお披露目も行われた。最も注目すべきは、近年、各社で新世代モデルが積極的に投入されている軽自動車だ。

 現在の軽自動車は、スーパーハイトワゴンなどのユーティリティ重視のモデルが主力となっているが、新たな市場開拓も試みられている。それが軽SUVだ。

 現在、クロスオーバーを含めて一強となっているのがスズキだ。なかでもクロスオーバーワゴン「ハスラー」は、デビューした2014年に年間10万4233台(月平均:8686台)を販売し、目標月販台数5000台を大きく上回る大ヒット車に。

 モデルチェンジモデル末期となる2019年12月の販売ランクでも9位に付けるなど大健闘していた。

 それだけにヒットの予感漂うのが、東京オートサロン2020で初公開された「ダイハツ タフトコンセプト」だ。

 ダイハツが繰り出す軽SUVの新星は、果たして人気車ハスラー対抗の切り札となり得るのか?

文:大音安弘
写真:編集部、DAIHATSU

【画像ギャラリー】新型タフトコンセプトVS新型ハスラー 外から中まで徹底比較!!


ネイキッドを彷彿! ダイハツが新型タフトを軽SUV市場に投入決断した訳

東京モーターショー2019に出展されたWAKUWAKU。この時点ではコンセプトカー然としていたが、タフトコンセプトは極めて量産モデルに近いところまで開発が進められた

 ダイハツの新クロスオーバーモデル「タフト コンセプト」は、東京モーターショー2019に出展されたコンセプトカー「WAKUWAKU(ワクワク)」を商品化に向けて発展させたものだ。

 ダイハツによれば、「WAKUWAKUの反響が大きかったため、いち早く、その存在を知ってもらおうと、オートサロンでの初公開を決めた」という。

 タフトといえば、かつて1980年代前後にダイハツが販売していた小型クロカンだが、こちらは最低地上高にはゆとりが与えられているが、完全あるクロスオーバーだ。

 セダンの「ミラ」からスーパーハイトワゴンの「ウェイク」まで幅広いラインアップを備えるダイハツだが、数年前からSUVブームのなかで、軽にも根強いニーズがあると認識。

 その成長市場を狙い、タフトを投入することを決断したわけだ。開発者によると、「色々なところに遊びに行ける。自分の世界を広げられる。そんなクルマを目指した」という。

新型タフト コンセプト。ハスラーと同じフィールドに投入される同車ながら、実車を見てゆくとそのキャラクター・立ち位置は絶妙に異なる

 スクエアのスタイルは、どこか「ネイキッド」を彷彿させるが、大型の角形ヘッドライトに、メッキパネルのフロントグリル、プロテクター風のホイールアーチを一体化させたバンパーなどは、タフなイメージを強調するのに大きく貢献している。

 洒落っ気よりも、タフさを重視したスタイルで、この部分は先代タフトのクロカン風味を、上手くワゴンに落とし込んでいる。

 そんなタフト自慢のアイテムは、「スカイルーフトップ」と名付けた大型のサンルーフだ。車高やパッケージの制限があるなかで、あえてスペースを取るサンルーフを採用しているのは、ユーザーが行動範囲を広げたくなる開放感を与えるためだという。

 軽乗用車には贅沢なアイテムだが、冒険するクルマには、雰囲気を盛り上げる重要なアイテムとなるはずだ。

新型タフトは質実剛健! 実用性重視の性格色濃く

新型タフトのインパネ。カジュアルさよりも道具としてのタフさを演出した雰囲気

 車内に目を移すと、その第一印象は、質実剛健な作りだと感じた。操作性のよさそうなスイッチ類に、ダッシュボードやセンターコンソールのトレイは、深さも確保されており、路面状況が悪い場所でも、小物が落下しないように工夫が凝らされている。

 気になったのは、センターコンソールがあること。インパネシフトなので、本来は、センターコンソールレスにもできるはず。その存在理由は、小物のためだけでなく、運転中の身体を支えるためなのかもしれない。

 後席も必要な広さは確保されているようだが、注目したのはドアパネルの作りだ。フロントドアと異なり、ラゲッジスペース同様のグレー色で傷などが目立ちにくい仕様となっているのだ。

 開発者によると「ひとりやふたりでどこでも遊びに連れ出せる相棒のように使ってほしいので、荷物がしっかり載せられるようにした」とのこと。実は、4人乗り軽自動車だが、実は2+ラゲッジスペースの実用系クロスオーバーワゴンというキャラクターなのだ。

 このため、後席を倒すと、綺麗にフルフラットスペースが出現する。多少荷物が干渉しても、傷が目立つことはないというわけだ。かなり実用性重視なワゴンなのだ。

先駆者ハスラーとタフトはどう違う?

新型ハスラー。人気モデルであり、軽SUV市場を切り開いた初代の後を継ぎ、2020年1月20日発売となる

 注目されるのは、ライバルとなる「ハスラー」の存在だろう。軽クロスオーバーワゴンという点では、全く同じカテゴリーを攻めている。しかし、両方を見比べてみると、ハスラーとタフトのポジションが微妙に異なることに気が付かされる。

 ハスラーは、第2世代へと成長。遊べる軽というスタイルを確立し、その持ち味を深化させてきた。より内外装の質感も高まり、彩も豊かになった。何より後席の快適性や使い勝手も充分に加味した作りである。その違いを見ていくと、ハスラーは後席も左右独立スライド機構まで備える。

新型ハスラーのインパネ。こちらはジープ レネゲードなどに通ずるカジュアルさを感じさせる意匠

 一方、タフトは、左右独立可倒式ではあるものの、スライド機構が省かれているようなのだ。内外装の色で遊べる洒落っ気やおもてなし度は、断然ハスラーの方が上だ。

 しかし、道具としてみると、タフトのストイックな部分の魅力もひかる。シンプルなインパネは、よりまわりの景色の変化を意識させ、自然と一体となりやすいだろう。

 後席の存在を忘れれば、2名分の旅の荷物も存分の飲み込んでくれる。堅牢な見た目は、男女問わずフィットするし、冒険心も駆り立ててくれる。

 誤解がないように付け加えておくと、ハスラーの戦略は、ジムニーあってこそのものだからだ。一方、ダイハツは、イメージリーダーとなるSUVを持たないので、そのイメージ作りも重要だからだ。

SUV風なら「ハスラー」、クロカン風なら「タフト」

写真は初代タフト(1974-1984年)。往年の車名が25年の時を経て蘇る

 結論を言えば、ユーザーの使い方次第で、その選択が、はっきりと分かれるだろう。大まかにいえば、SUV風味ならハスラー。クロカン風味ならタフトということになりそうだ。

 タフトは、2020年半ばの発売に向けて、開発も最終段階に差し掛かる。道具のような相棒を謳うだけに、その価格も注目される。ここがぐっと魅力的だと、アウトドアライフを楽しむユーザーの心をぐっと惹きつけることができそうだ。

 最後に走りについて触れておくと、開発者は「充分期待してください」と力強く語ってくれた。市販車の仕様がどう作り上げられるのか、今から楽しみだ。

◆  ◆  ◆

 スズキの新型ハスラーは1月20日に発売開始。一方、新型タフトの発売は2020年央(編注:6~9月頃か)と公表されている。今後の動向にも注目だ。

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