新型タフトは質実剛健! 実用性重視の性格色濃く
車内に目を移すと、その第一印象は、質実剛健な作りだと感じた。操作性のよさそうなスイッチ類に、ダッシュボードやセンターコンソールのトレイは、深さも確保されており、路面状況が悪い場所でも、小物が落下しないように工夫が凝らされている。
気になったのは、センターコンソールがあること。インパネシフトなので、本来は、センターコンソールレスにもできるはず。その存在理由は、小物のためだけでなく、運転中の身体を支えるためなのかもしれない。
後席も必要な広さは確保されているようだが、注目したのはドアパネルの作りだ。フロントドアと異なり、ラゲッジスペース同様のグレー色で傷などが目立ちにくい仕様となっているのだ。
開発者によると「ひとりやふたりでどこでも遊びに連れ出せる相棒のように使ってほしいので、荷物がしっかり載せられるようにした」とのこと。実は、4人乗り軽自動車だが、実は2+ラゲッジスペースの実用系クロスオーバーワゴンというキャラクターなのだ。
このため、後席を倒すと、綺麗にフルフラットスペースが出現する。多少荷物が干渉しても、傷が目立つことはないというわけだ。かなり実用性重視なワゴンなのだ。
先駆者ハスラーとタフトはどう違う?
注目されるのは、ライバルとなる「ハスラー」の存在だろう。軽クロスオーバーワゴンという点では、全く同じカテゴリーを攻めている。しかし、両方を見比べてみると、ハスラーとタフトのポジションが微妙に異なることに気が付かされる。
ハスラーは、第2世代へと成長。遊べる軽というスタイルを確立し、その持ち味を深化させてきた。より内外装の質感も高まり、彩も豊かになった。何より後席の快適性や使い勝手も充分に加味した作りである。その違いを見ていくと、ハスラーは後席も左右独立スライド機構まで備える。
一方、タフトは、左右独立可倒式ではあるものの、スライド機構が省かれているようなのだ。内外装の色で遊べる洒落っ気やおもてなし度は、断然ハスラーの方が上だ。
しかし、道具としてみると、タフトのストイックな部分の魅力もひかる。シンプルなインパネは、よりまわりの景色の変化を意識させ、自然と一体となりやすいだろう。
後席の存在を忘れれば、2名分の旅の荷物も存分の飲み込んでくれる。堅牢な見た目は、男女問わずフィットするし、冒険心も駆り立ててくれる。
誤解がないように付け加えておくと、ハスラーの戦略は、ジムニーあってこそのものだからだ。一方、ダイハツは、イメージリーダーとなるSUVを持たないので、そのイメージ作りも重要だからだ。
SUV風なら「ハスラー」、クロカン風なら「タフト」
結論を言えば、ユーザーの使い方次第で、その選択が、はっきりと分かれるだろう。大まかにいえば、SUV風味ならハスラー。クロカン風味ならタフトということになりそうだ。
タフトは、2020年半ばの発売に向けて、開発も最終段階に差し掛かる。道具のような相棒を謳うだけに、その価格も注目される。ここがぐっと魅力的だと、アウトドアライフを楽しむユーザーの心をぐっと惹きつけることができそうだ。
最後に走りについて触れておくと、開発者は「充分期待してください」と力強く語ってくれた。市販車の仕様がどう作り上げられるのか、今から楽しみだ。
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スズキの新型ハスラーは1月20日に発売開始。一方、新型タフトの発売は2020年央(編注:6~9月頃か)と公表されている。今後の動向にも注目だ。
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