トヨタbZ3Xに日産N7……。中国では日本メーカーが続々と200万円台EVを投入している。しかし価格競争をしているのは日本勢だけじゃない。実はドイツのフォルクスワーゲンも、手頃なクーペSUVを出したのだ。それがID.UNYX 06。期間限定で300万円を切るというから魅力的じゃないの!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:VW安徽
【画像ギャラリー】日本に上陸したら大ヒット!? ID.UNYX 06の細部をじっくり見て!(12枚)画像ギャラリーハイデッキのクーペボディがカッコええじゃないの!
近年、ドイツ勢は中国での苦戦が伝えられているが、攻めることも忘れたわけじゃない。その証拠ともいえるクルマが、フォルクスワーゲンの現地合弁「フォルクスワーゲン安徽(大众汽車)」が発売したID.UNYX06だ。
このクルマは同社が2024年7月に発表した「ID.UNYX」の市販版といえる。発売にあたって新たに「06」とナンバリングされたわけだが、なだらかに傾斜するクーペ風のルーフラインや、レクサスLBXにも似たフロントマスクが実に精悍でかっこいい。
ボディサイズは全長4663mm、全幅1860mm、全高1610mm、ホイールベース2766mmだからトヨタRAV4や日産エクストレイルとほぼ同寸。とはいえ内燃機関モデルは存在せず、RWDあるいは4WDのBEVモデルだ。
シャシーチューニングはドイツで行ったそうで、VWお得意のDCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)も備える。回転半径は4.7mというから車格に似合わぬ取り回しの良さも実現している。
ラインナップだが、安い順にピュア、プロ、ウルトラ、マックスという4グレード展開。ピュア、プロ、ウルトラは170kW(231ps)のフロントモーター駆動のRWDで、マックスは250kW(340ps)の前後2モーターを積む4WDとなる。
電池はピュアが53.6kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池で、それ以外は80.2kWhの3元系リチウムイオン電池。どちらも液冷と低温加熱システムを備え、-20℃でも常温と変わらぬ加速性能を維持するという。航続距離はピュアで426km、プロとウルトラが614km、マックスが555kmとなる(CLTC届出値)。
ベースモデルが298万円でギリ300万円切り!
中国で勝負するクルマだけにインフォテインメント系も抜かりはない。IDシリーズのお約束でドライバー正面の表示系は5.3インチと小ぶりだが、ダッシュボード中央に15インチの巨大タッチ式ディスプレイが鎮座し、ほとんどの操作をここでまかなう。
さらにAIと連携したインテリジェントパートナーも搭載しており、エアコンやナビ操作はもちろん、スマホのスケジュール機能と同期したサービスも実現する。運転支援については全行程運転支援システムであるトラベルアシスト3.0を全グレード標準で搭載するほか、ウルトラとマックスには現地で人気のフレグランス機能も装備している。
さて、なかなか魅力的なID.UNYX 06だが、気になるのは価格だ。フォルクスワーゲン安徽は最廉価モデルのピュアを期間限定で14万9900元(約298万円)に設定し、低金利やクーポンなどと合わせて強力な販売支援を展開している。
これを迎え撃つように日本勢もトヨタbZ3Xや日産N7を11万元(約220万円)という低価格で発売したわけだが、中国では現在でもドイツ車に独自のブランド力があるため、勝負の行方は気になるところ。
ともかく中国のEV市場は、異様なまでの低価格が当たり前になってきた。今後はこの市場にさらなるライバルが参入するだろうが、EV最前線は競争がより熾烈化しそうだ。














コメント
コメントの使い方トップ画で、なぜレクサスLBX?と思ったら中国VWの新型だったんですね。でも、侮れないです。
今後BEVに必須とされる加熱システム搭載で、カタログ上とはいえ555km走れて、300万。これはすごいですよ。
安全性と経年維持性能が、国産EVほどじゃなくてもある程度まであれば、国産勢は低価格競争を余儀なくされる。