TOYOTA GAZOO Racingが、2025年11月3日に改良型「GRカローラ」を発売すると発表した。スーパー耐久シリーズで得た知見をふんだんに反映し、ボディ剛性や冷却性能を強化。さらに日常ユースを快適にする新装備まで盛り込み、しかも価格は据え置き。より多くのファンに届く一台へと進化している。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA
サーキット仕込みの基本性能アップ!
今回のGRカローラの改良で最も注目したいのは、「走りの土台を底上げした」点である。TGRはニュルブルクリンクをはじめ国内外の過酷なサーキットでテストを実施。そのフィードバックを反映し、構造用接着剤の塗布を従来比+13.9m延長。フロントボディやフロア、リヤホイールハウス周辺の剛性を高め、ボディの一体感を格段に向上させている。
さらに、エンジンの高回転時に作動する2次吸気口(エアクリーナー可能に配置)手前に新たに追加された「クールエアダクト」がフロントグリルから外気を直接取り込み、吸気温度の上昇を抑制。長時間の全開走行でもエンジンパワーを安定して引き出せる。これにより、G16E-GTS直列3気筒ターボのポテンシャルをフルに発揮できるようになった。まさに“サーキット直系”の仕上がりだ。
スペックはそのままでも迫力十分
心臓部は1.6L直列3気筒ターボ「G16E-GTS」。最高出力304ps、最大トルク400Nmを発揮。トランスミッションは8速ATと6速MTを用意し、駆動方式はGR-FOURの4WDだ。
ボディサイズは全長4410×全幅1850×全高1480mmと、扱いやすさと迫力を両立。燃費はWLTCモードでAT車10.4km/L、MT車12.4km/Lと、パフォーマンスと燃費性能を両立している点もポイントである。
日常を盛り上げる快適装備&モータースポーツサウンド
普段使いでも魅力を発揮するホットハッチとしての進化も見逃せない。
注目はオプションの「JBLプレミアムサウンドシステム」。ラゲッジルームに新たにサブウーハーを追加し、従来の8スピーカーから9スピーカーへと拡充。低音の迫力が増し、クリアで奥行きのあるサウンドが楽しめる。
さらに「アクティブサウンドコントロール(ASC)」も新採用。アクセルやシフト操作に合わせてスポーツサウンドをスピーカーから再生し、走行状況を直感的に感じ取れる。
しかもレーシングカー特有の“バブリング音”まで再現し、日常でもサーキット気分が味わえる。音量は3段階で調整でき、もちろんOFFにもできるからシーンに合わせて使い分け可能だ。
カラーバリエーションは「スーパーホワイトII」「プラチナホワイトパールマイカ」「プレシャスメタル」「プレシャスブラックパール」「エモーショナルレッドII」の5色となる。
ファン待望! 供給体制を改善&価格据え置き
これまで人気が高すぎて抽選販売が続いていたGRカローラ。今回はその供給体制を見直し、より多くのファンに届けられるようになった。これはモリゾウ会長の「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という想いを形にしたものでもある。
さらに既存オーナーに向けて、2026年春にはアップグレードプログラムを提供予定。対象は2023年モデルで、最大トルクを370Nmから400Nmへ引き上げ、GR-FOURの駆動制御も最新仕様に進化。新型同様の進化を体感できるよう配慮されているのだ。
そして何より注目すべきは、これだけの改良をしながら価格は据え置きという点。
RZ(6MT・4WD):568万円
RZ(8AT・4WD):598万円
大幅改良しながら価格据え置き――GRカローラの本気度がビシビシ伝わってくる!















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