大改良のゴルフは進化したのか?
本国では1.4Lターボに代わる1.5L TSIエボエンジンが搭載されたが、今回、日本仕様には用意されなかったのは残念きわまりない。
取材車のTSIハイラインをドライブすると微妙だが、全体的にさらに洗練されたように感じられた。
このクラスで小排気量の直噴ターボエンンジというのはもはや常識だが、DCTを用いているのがVW系とメルセデスの特徴。
むろん一長一短あるがダイレクト感のある走りはそのままにスムーズさが増して乗りやすくなったように感じられた。
正確性に富むステアリングやしなやかななかにも引き締まった乗り味をもたらす足回りもあいかわらず好印象だ。
タイヤが路面をしっかり捉えているのでなんら不安に感じることなくワインディングを攻められるし、高速巡航でのスタビリティも高い。このあたりはさすがというほかない。
1〜3位 ゴルフを上質さで上回るアウディA3
そんな新しくなったゴルフが競合車に対してどういう位置づけとなるのか?
1位は依然としてアウディA3だと思う。全体の完成度が高く、欠点らしい欠点も見当たらない。そしてゴルフよりもやはり上質だ。
ご存じのとおり、よくできたゴルフをベースに、さらに上を目指して手を加えているのがアウディなのだから、そうなるのも納得。新しいゴルフも頑張って超えた部分もあるが、総合力では及ばないかな、と思う。
では、新しくなったゴルフは何位かというと、次点の2位としたい。それは装備の充実だ。
実力が拮抗したなかで何を理由に採点するかが悩みどころだが、今回ジャンプアップしたゴルフを現時点では高く評価したいと思う。これがなかったら、4位だったかな(マイチェン前ゴルフは92点)……。
3位はボルボ V40。このクルマも登場してからどんどん改良されて完成度が高まっている。往年のボルボのお堅いイメージを払拭する狙いもあってかなりスポーティな性格が与えられている。安全装備も非常に充実している。
4〜6位 総合力では上位に及ばずも個性派揃い
4位は慣熟の域に達したBMW1シリーズ。クラス唯一となる後輪駆動ならではの走りのよさに加えて、BMWの上級モデルに通じる内外装の仕立てのよさも感じさせ、それでいて価格が控えめなところも魅力だ。
ただし、この2台(V40とBMW1シリーズ)の実用性は、ゴルフに大なり小なりおよんでいない。装備面でもゴルフがかなり先を行った印象だ。
5位のプジョー308は、さすがは欧州カーオブザイヤー受賞車らしく、完成度も高く、居住空間や荷室の広さなどゴルフを上回っている部分が多い。さすがは打倒ゴルフを念頭に開発されただけのことはある。
猫足によるしなやかな乗り心地も健在だ。内容的にはもっと上位にしたいところだが、このなかで比べるとやむをえず5位。装備がアップデートされたら脅威となる存在だ。
そして6位はAクラス。メルセデスの場合はBクラスもあるので、Aクラスはスポーティにわりきった印象。
むろん6位といっても、あえて順位をつけると、であることをご理解いただきたく。そのスポーティさがむしろこのクルマの魅力でもある。
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