ドイツ・ハノーバーで開催中の商用車展示会(IAA)で2028年にハイラックスFCの発売が予告された。さらに燃料電池を搭載したハイラックスのラリー車が2027年ダカールラリーに参戦する。トヨタは水素を諦めていないどころじか、大きく進化させようとしている!
文:ベストカーWeb編集部 写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】市販前にダカール走っちゃうの!? 燃料電池を搭載した「ハイラックスFC」がスゴい(5枚)画像ギャラリー耐久性が2倍、燃費性能は20%アップ、そして低コストを実現した第3世代FCユニット
第3世代のFCシステムの大きな特徴は、耐久性2倍、燃費性能20%アップ、そして低コスト。ディーゼルエンジンにとって代わるユニットとして開発中だが、2028年から販売されることが発表されたハイラックスFCにはこの第3世代の搭載が確実。
今回欧州の小型商用車部門「トヨタプロフェッショナル」を2030年までに市場シェアを8%、20万台にまで伸ばすと発表。2020年の販売台数8万台から2026年には16万5000台にまで急成長しているが、なんとその約23%がBEVだというから驚きだ。欧州では規制もあって大型トラックはもちろん、小型バンやピックアップといった商用車の電動化が予想以上に進んでいる。
トヨタのBEVモデルの主力はプロエースで(PSAグループからのOEMモデル)が主力だが、欧州では6月に発売になったハイラックスBEVに加え、ハイラックスFCが販売されることになれば大きな追い風になるはずだ。
何といっても耐久性が求められるピックアップトラックは、燃料電池との相性がいい。新型ハイラックスFCへの搭載が予想される第3世代FCユニットは110kW(150ps)、航続距離400km超、最大2.5トンのけん引能力を持つという。この第3世代FCユニットに加えBEVと同様、前後にeAxleを採用する4WDモデルとハイラックスFCは予想される。
市販化より先にダカールへ!? 2027年にFCハイラックスが参戦
ハイラックスFCにも驚いたが、なんと市販化を待たず、2027年にはなんとダカールラリーへ参戦するという。ハイラックスといえば、世界中の過酷な環境で働き続けてきたトヨタを代表するピックアップだ。
その魅力は何といっても品質と信頼性、そして耐久性だ。砂漠だろうが山岳地帯だろうが、あるいは荷物を満載して走る仕事の現場だろうが、とにかく壊れず走り続ける――。そんな評価を何十年にもわたって積み上げてきたのがハイラックスだ。
そんな「タフネスの象徴」が、さらなる高みを目指し、トヨタが長年研究を続けてきた燃料電池技術を搭載して、GAZOO Racingからダカールラリーに参戦する。7月に発表があった通りトヨタは「DKR GR FC Hilux」を、技術実証を目的とした参戦カテゴリー「Dakar Future Mission 1000」に投入する計画だ。このカテゴリーではクルーが10ステージ、合計1000kmの競技区間でタイムを競う。燃料電池の性能、安全性、信頼性を実証するにはまたとない舞台だ。
市販化を前にいきなり世界最高峰の過酷なラリーへ持っていく。テストコースで何十万kmもの耐久テストを重ねても見えてこない課題が、予想もしないタイミングで表面化することがある。
トヨタはダカールラリーを、燃料電池技術を急速に進化させる絶好のテストフィールドと考えているわけだ。つまり、DKR GR FC Hiluxのダカールラリー参戦プロジェクトは砂漠を走る巨大な実験室となる。そこで壊れたもの、足りなかった性能、想定外だった使われ方――そのすべてが2028年発売のハイラックスFCへフィードバックされていくことになる。
トヨタは2017年以降、過酷なモータースポーツの現場で水素関連技術の開発を続けてきた。GRヤリス Rally2 H2、GRカローラ H2、TR LH2 Racing Conceptを開発し、ラリーやサーキットを走らせてきた。いずれも、水素の可能性をさぐり、水素で未来を作っていくというトヨタの決意の表れだ。
今回さらに厳しいフィールドで燃料電池の技術を磨くことは、トヨタの決意がいささかも揺るぎないどころか、可能性を感じている証拠だろう。
2027年のダカールラリー、そして2028年のハイラックスFCの市販化。なかなか面白い展開になってきたぞ!
【画像ギャラリー】市販前にダカール走っちゃうの!? 燃料電池を搭載した「ハイラックスFC」がスゴい(5枚)画像ギャラリー









コメント
コメントの使い方