2017年6月29日に、現行型では初めてとなるビッグマイナーチェンジを実施したフィット。ここではマイチェン後に初めて試乗してみたインプレッションをお送りいたします。
まず本記事で一番言いたいことを最初に書いておきますと、「もしこのフィットを買うなら、上級グレードのHYBRID・S Hond SENSINGにしましょう」です。
いいですか、最上級グレードのHYBIRID・Sですよ。今日はこれだけ覚えてブラウザを閉じてください。ではいざ。
文:ベストカーWeb編集部
■ライバルに比べて頭一つ抜け出た性能
2013年9月に登場した現行型(3代目)フィットは、巨大な期待を背負って誕生しました。
登場初期から日本を含むグローバル戦略車となるべく開発され、「ホンダのラインアップのなかで一番売れる車であること」が使命として与えられたのです。
新設計されたプラットフォームは、大変優れたものでした。
初代から続くセンタータンクレイアウトを継承しつつも、車内空間をさらに押し広げ、車内各部レイアウトの自由度を上げ、軽量化と高剛性化、静粛性や乗り心地も大幅に向上しました。
結果、コンパクトクラスのなかで「完成度」や「総合点」で見れば、現行フィットはライバルたちより頭一つ抜け出ている存在となっています。
もちろんデザインや販売力、燃費の数値でトヨタ・アクアを推す人もいるだろうし、走りの楽しさという点で見るとマツダのデミオを推す人もいるでしょう。
しかし室内空間や走行性能の総合点、使い勝手や価格を総合的に判断すると、現時点ではやはりフィットが優勢です。
それほどセンタータンクレイアウトという技術には優位性があるし、そのほかの部分に関しても、ホンダはよく磨き抜いているといえます。
そして、そんなフィットだからこそ、やや面倒な課題が出てきました。
それは求められる性能が多様化してきた、ということです。ホンダの最量販車となることで、国内累計220万台以上のユーザーがおり、その代替需要だけでなく、
N-BOXなどの軽自動車からの乗り換え(アップサイザー)や、ステップワゴンやアコードなどミドルクラスからの乗り換え(ダウンサイザー)からの乗り換え需要にも応える必要が出てきた。
これがフィットを取り巻く状況であり、今回のマイチェンで新型フィットがクリアすべき課題だったわけです。難題ですよね。
「旧型から乗り換えるお客さんはもちろん、軽自動車から乗り換えてくるお客さんにも、上級車から乗り換えてくるお客さんにも、満足できるような車にしろ」ということですから。
欲張りすぎる。
しかし今回乗ってみて、エンジニアたちは見事にそれを達成したと感じています。それが上級グレード、「HYBRID・S Hond SENSING」を推す理由です。
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