シトロエンは、2020年6月30日、フランスにて全面刷新を図った「C4」を発表。新型はガソリンとディーゼルエンジン車だけでなく、新たにEV(電気自動車)仕様も用意する。今秋に、まずフランスからの発売が予定されている。
かなりマイナーではあるが、シトロエンC4は、かつて日本にも導入されていたCセグメントハッチバックだ。先代は、旧来の質実剛健なシトロエンを具現化したような地味なデザインであった。
ところが、新型は激変。日本へも限定導入された「シトロエン C4カクタス」を皮切りに、日本のシトロエン販売のけん引役とイメージリーダーも担うBセグメントコンパクト「C3」に代表される、モダンかつポップな新生代デザインへと進化。
まさに一目でシトロエンと分かるユニークなスタイルに仕上げられている。
文:大音安弘
写真:Citroën Communication / DR
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大胆に生まれ変わった新型C4
Cセグメントモデルであることは従来同様だが、新型C4は、5ドアハッチバックから4ドアクーペ風コンパクトクロスオーバーへと転身を図る。しかも新生シトロエンの中でも、最もスタイリッシュかつスポーティなスタイルである点も注目すべきところだ。
ボリューム感溢れるスタイルだが、ボディサイズは、全長4360mm×全幅1800mm×全高1525mmと日本の都市部でも扱いやすそうなもの。
これならば、立体式駐車場にも収めることができる。ホイールベースは2670mmを確保。最低地上高は156mmなので、街乗りクロスオーバーというキャラ付けといえよう。
シトロエン流クーペは超個性的!
スタイリッシュなC4のスタイリングは、まずファストバッククーペライクなルーフラインが目を引く。
そのクーペスタイルに、アンダーガード、ワイドなフェンダーとホイールフレアモール、ロアプロテクターなどのSUVのエッセンスを取り入れることで、「エレガント」と「ワイルド」という相反する魅力を融合させることに成功させた。
フロントマスクは、新生シトロエン特有の2段構えのものであるが、V字のLEDシグネチャーランプなどのシャープなライトデザインとすることで、スポーティさを強調。
リアビューも、フロント同様にシャープなライトデザインやテールゲート内蔵リアスポイラーなどのアクセントが、リヤスタイルを引き締める。その形状は、プリウスを彷彿させる部分もあるが、これはかなり空力特性を意識した結果といえよう。
期待を裏切らない近未来的なコクピット
そのインテリアは近未来的だ。デジタルメーター及びデジタルタッチスクリーンを備える立体的なダッシュボードは、まるで宇宙船のコクピットを彷彿させる。
センターコンソールにはATシフトレバーやパーキングブレーキボタンなどの備えながらも、凹凸はなく、プレーンな仕上げである点も新鮮。
それでいてエアコンの操作パネルやオーディオのボリュームなどメカニカルな操作系も残されており、使い勝手も良さそうだ。シンプルなステアリングには、しっかりとパドルシフトが隠されており、モダンなデザインの中にしっかりと機能を活かすことを試みているのは好感が持てる。
シートデザインは、最新シトロエンに使われるソファーを彷彿させる「アドバンスドコンフォートシート」は、格子柄デザインとゆったりとしたサイズが特徴。
シトロエン伝統のハイドロ風味の乗り味を再現した油圧ショックアブソーバー「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」と相まって、極上の乗り味を提供してくれるというからの期待が膨らむ。
この組み合わせは、すでにC5エアクロスSUVで、日本にも導入済み。その乗り心地の評判は良いことを付け加えておく。
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