いま注目を集める輸入メーカーの売れ筋モデルを大特集!!!
モータージャーナリスト 島崎七生人氏の「イタフラ車(イタリア車・フランス車)のススメ」を皮切りに、安くて楽しい輸入車たちを大紹介する!
【画像ギャラリー】本稿で紹介たものに更に追加!!! 安くて楽しい仏伊米英33モデルを一挙ご紹介!!!
※本稿は2020年5月のものです
文:島崎七生人、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年6月10日号
■200万円台から楽しめる! イタフラ車のススメ
(TEXT/島崎七生人)
現在ボクが足に使っているのは“チンク”ことフィアット500。2名+柴犬1匹という家族構成だからこの小ささでも実用上、ほとんど不都合はないし、875ccのツインエア(以前1.2Lにも乗っていた)で、エンジンオイルの交換もたった2Lですむなど、財布に優しい点も助かる。
だがそれ以上に“癒しのキャラ”なのもこのクルマの魅力。昔クラシック・ミニに乗っていた時、同じミニ同士ですれ違うと、手を上げて挨拶したりした。

今の人は皆シャイだからそこまでのことはないけれど、老若男女、フィアット500にはさまざななユーザーが乗っているのを見かけるが、ドライバーも助手席の同乗者もたいてい穏やかな顔をしている。
スタイルも内装デザインもトコトコとした走りも、どの要素ひとつとっても実に明朗快活で、なのでこのクルマのキャラに乗り手の気持ちはほぐされる。
たとえばドイツ車はVWポロでも形態安定シャツのようにカッチリとしたイメージ。対して“イタフラ車”は、ラテン系らしく気安く付き合えるトモダチのような存在……といったところか。
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具体的に見ていこう。200~300万円台の身近なところの主役はフィアット、シトロエン、DS、プジョー、ルノーに揃っている。
フィアットでは500のほかにパンダがある。パンダは500の兄弟車でホイールベース(2300mm)やエンジンが共通ながら、4ドア、乗車定員5名(500は4名)など実用的な“+α”が魅力だ。
500Xは、「500」名義のSUVタイプで、兄弟車のジープ・レネゲードとともにギリギリ200万円台からの価格設定。FFでも見かけどおりのしっかりした走行性能、ひとクラス上の居住性、実用性をもつ点が特徴だ。
フランス車では、シトロエンC#系とルノー・トゥインゴが注目株。シトロエンC3は、とにかく奮った内、外観デザインと心地いい系の乗り味がポイント。2トーンがイメージだが、モノトーンでシレッと乗りこなすのもよさそう。さらにC3より着座位置が少し高く、後席スライド機構と機動性の高さがプラスされたのがC3エアクロスSUVだ。

ルノー・トゥインゴは、目下の同社での注目株。乗ってみるとリアエンジンによるさわやかなハンドリングを実感し、最小回転半径は4.3mの小ささ。ワンタッチでルーフの大部分が開閉(←リリースより引用)するキャンバストップは、フィアット500cと並ぶ、気持ちの贅沢を味わわせてくれるオープンエア仕様だ。
ルノーといえば外せないのがカングー。日本でも大人気のモデルで、254万6000~264万7000円と手頃な価格設定となっているが、日本車にありそうでなかなかない、このクルマのプレーンだからこそのお洒落は唯一無二の存在。
プジョーはいずれモデル切り替えのタイミングを迎える208、そのSUV風味の2008、ひとつ上の308に200万円台のモデルの用意がある。
ほかに輸入車全般に目を広げれば選択肢も増える。いずれにしても、日本車にはない個性、味が楽しめるのは、グローバル化した今も変わらない。生活のなかのアクセントになるのが、こうしたクルマたちというわけだ。


■今こそ大注目!200万円台から選べる! 楽しい英・仏・伊・米のクルマたち
●シトロエン(フランス)
・C3(229万-254万円)…いかにもシトロエンらしい個性を感じられる。クロスオーバーSUVっぽいエクステリアが楽しい。110ps/20.9kgmの1.2L直3ターボ搭載

・C3エアクロスSUV(263万8000-279万1000円)…個性派「C3」のホイールベースを70mm延長し135mm背を高くしたものの地上高は160mmで同じという、雰囲気SUVなんだけど、実に魅力的、FFのみの設定というのもオツなもの

●DS(フランス)
・DS3クロスバック(304万5000-411万5000円)…シトロエンのプレミアムブランドとして誕生した「DS」のエントリーモデル。BセグコンパクトSUVで、全長4120mm、全幅1790mm。130psの1.2Lターボを搭載する

●ルノー(フランス)
・ルーテシア(207万8000-241万8000円)…昨年の東京モーターショーで新型をお披露目したルーテシア。現在購入できるのは「旧型」の最終モデルということになるが、207万8000円の「ゼン」は0.9L直3ターボで軽快な走りが味わえる

・カングー(254万6000-264万7000円)…2700mmのホイールベースで4280×1830×1810mmのボディサイズのスペースバン。観音開きのバックドアや、広大な荷室など使い勝手のよさとフワリとした乗り味はカングーならではのものだ

・トゥインゴ(179万-210万6000円)…RRレイアウトゆえの特徴的なドライブフィールが魅力的。最小回転半径4.3mの小回り性はRRのため可能となった。179万円の「S」は1L NAで73ps

●プジョー(フランス)
・308(289万2000-451万2000円)…昨夏のマイナーチェンジでパワートレーンが一新された308。1.2L直3直噴ターボは130ps/23.4kgmのスペックに変更はないが改良され、8速ATが組み合わされた

・208(234万4000円)…すでに本国では新型が発表されているため、現在日本で販売されているのは「旧型」となった在庫車のみという状況。正直言えば「新型の上陸を待て!」というのが正解だ

●フィアット(イタリア)
・500/500C(200万-295万円)…今年3月、EVの新型500が公開されたが、今日本で買えるのはガソリンエンジンのこれ。特に印象的なのは2気筒ターボの「ツインエア」。今が最後のチャンスだ!

・500X(299万-341万円)…デザインイメージは「チンク」だが、その中身はジープレネゲードと共通。ボディサイズは4280×1795×1610mm。151ps/27.5kgmの1.3Lターボを搭載。昨年のマイチェン以降FFのみとなった

・パンダ(224万円)…チンクもいいのだが、後席を使うというのならパンダをお勧め。エンジンは「ツインエア」で85ps/14.8kgmは必要にして充分な動力性能だ。

●アルファロメオ(イタリア)
・ジュリア(455万円・標準仕様)… 4645×1865×1435mmでホイールベース2820mm。BMW3シリーズとほぼ同じサイズ感のCセグFRスポーツセダン。2L直4ターボは200ps/33.7kgmでハンドリングが楽しい!

●アバルト(イタリア)
・595(300万-400万円)… フィアット500の高性能版がアバルト595。直4、1.4Lターボは145psを発揮。ハードにチューニングされたサスで乗り心地はちょっと硬いが、サソリのエンブレムが所有欲を刺激する。

・124スパイダー(406万-416万9000円)…アバルトの開発陣がマツダロードスターを料理すると124スパイダーになる。直4、1.4Lターボは170ps/25.5kgmを発揮する。

●JEEP(アメリカ)
・JEEPレネゲード(299万-387万円)…昨春のマイナーチェンジでグリルがよりジープらしく変身。エンジンは新開発1.3L。リミテッドに搭載されるのは151ps/27.5kgm。6速DCTが組み合わされる。

・JEEPラングラー(490万-612万円)…あの「ジープ」も直4、2Lターボを搭載する。272ps/40.8kgmの高出力。ハードなオフロード性能を持つシャシーは先代譲りだ。アンリミテッドスポーツは490万円

●シボレー(アメリカ)
・シボレー カマロLT RS(539万円)… 6代目カマロの日本上陸は2017年11月。このLT RSは200ps/40.8kgmを発揮する直4、2Lターボを搭載する。
●ジャガー(イギリス)
・ジャガーXE D180 S(539万円)…全長4680mm、全幅1850mm、全高1415mm、ホイールベース2835mmというDセグ4ドアセダン。D180は2Lディーゼルターボで180ps/43.8kgm

・ジャガーEペイス(456万円・標準仕様)…ミッドサイズSUVのE-PACE。200psのガソリンターボを搭載するP200は500万円を切る価格でジャガーを味わえる

●ランドローバー(イギリス)
・ディスカバリースポーツ(450万円・標準仕様)…ジャガー・ランドローバーの開発による直4、2Lターボは240psながら9ATが組み合わされて重量級ボディを元気に走らせる

・レンジローバーイヴォーク(533万円・D180)…チョップトップのような独特のフォルムが印象的なイヴォークも2代目に進化。最大渡河水深60cmに進化した超本格クロカンの性能を持つ。
