カムリは1980年にセリカカムリとして誕生。FRのマークII系とは違う、居住性に優れたFFセダンというキャラクターが与えられた。カムリは冠(かんむり)にちなんで命名された日本語由来のクルマでもある。
2代目モデルでカムリと車名変更して以来、トヨタの世界戦略車に抜擢され、カローラとともにトヨタの屋台骨を支えてきた。現在日本ではハイブリッド専用車として、トヨタのミドルクラスセダンを担っている。
1980年の初代デビューから40年を迎えたカムリ40周年を記念した特別仕様車が発売されたので、その魅力に迫る。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA
【画像ギャラリー】祝カムリ40周年!! 初代から10代目の現行までの全モデルをフラッシュバック!!
特別な黒と赤の組み合わせがオススメ
カムリの40周年記念車は、WS Black Edition(ブラックエディション)と命名され2020年8月5日から全国で発売を開始した。
車名からもわかるとおり、ベースとなっているのはカムリのスポーティグレードであるWSだ。FFと4WD(E-Four)の両方に設定されている。
最大のトピックはプレシャスブラックパールのボディカラーとパーフォレーション(一定間隔に開けられた打ち抜き穴)加工が施されたレッドの本革シートを特別設定したことだろう。この特別な黒と赤で視覚的に刺激する。
特筆はレッドのシートを採用しただけでなく、センターコンソール、ドアトリムの一部、ダッシュパネル横にも赤があしらわれ、赤内装に仕立てていることで、このうえない特別感がある。
ボディカラーは全5タイプあり、すべて有料色となっている。
カラーと価格は、モノトーン3色がプラチナホワイトパールマイカ(3万3000円)、エモーショナルレッドII(5万5000円)、特別色のブレシャスブラックパール(5万5000円)。
ルーフがアティチュードブラックマイカとなるツートーンはプラチナホワイトパールマイカ(8万2500円)、エモーショナルレッドII(10万4500円)の2色が設定されている。
全ボディカラーに黒と赤のインテリアが設定されているので、オーソドックスな黒内装を選ぶこともできる。しかし40周年記念という特別感を堪能するなら赤内装がオススメだ。
運転席&助手席にシートヒーター、助手席にもパワーシートを設定することで、快適性も高めている。
特別な黒でアクセント
ブラックエディションの名前のとおり、ボディカラー以外にも特別な黒がいろいろなところに設定されている。特別装備は以下のとおり。
■ブラック塗装の18インチアルミホイール
■スモーク調のフロントロアグリルモールディング
■スモークエクステンション加飾を施したヘッドランプ&リアコンビランプ
2017年7月のデビューから約1年後に追加されたWSは、スポーツグレードでこれまでのオヤジセダンというカムリのイメージを覆すことに成功したが、40周年記念特別仕様車のWSブラックエディションは、上質感とスポーティ感が増している。
そして何よりの魅力は、特別感を好演出していることだろう。
価格はFFが420万8000円、E-Fourが440万6000円となっている。ベースのWSのFFが393万7000円、E-Fourが413万5000円だから、27万1000円高ということになる。
ただし、前述のとおり、ボディカラーはすべて有料色のため、チョイスしたボディカラーによって価格の上乗せぶんが変わってくる。
一部改良
特別仕様車の発売と同時にカムリが一部改良を受けた。安全装備の充実&アップデートのみで、内外装、走行性能の変更はない。
まずは駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いやアクセルの踏み過ぎなどに起因する衝突の被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]を全車に標準装備としたこと。
さらに、ドライバーの死角をサポートするブラインドスポットモニター(BSM)、リヤクロストラフィックオートブレーキの標準設定をWS、Gグレードに拡大した。
安全装備の充実&アップデートにより、3万~6万円の値上げとなるが、もともと安全装備が充実しているレザーパッケージ系の価格は据え置きだ。
