■ターゲットはBMW、WRCからの技術フィードバックも
現在のGRE(グローバルレースエンジン)は1.6L直噴ターボで「4気筒」という規定があるなかで、なぜ3気筒を選んだのかは不明だが、将来的な規定の変更を睨んでのものかもしれない。
出力、トルクなどの情報は入っていないが、ひとつ指標となるエンジンがある。それはBMWの3気筒1.5L直噴ターボだ。
BMW1、2、3シリーズやMINIなどに搭載されている新世代のロングストローク型エンジンで、3気筒とは思えない滑らかなフィールが魅力のユニット。BMW118iでは136ps/22.4kgmを表示しており、JC08モード燃費は18.1km/Lとなっている。
このエンジンは118iという車名のとおり、4気筒、1.8Lのリプレイスになるダウンサイズユニットで、スポーツ性よりもエコ性能を重視したタイプ。
しかし、同じ3気筒1.5Lでも、BMW i8に積まれているB38K15A型は231ps/32.6kgmのスペックなのだ。
トヨタが目指す3気筒1.6L直噴ターボのスペックは、当然このあたりだろう。BMWよりも100cc大きいということもあり、250ps/35.0kgm以上も充分に可能。燃費性能とのバランスも取れる範囲となる。
4WDシステムはまったく新しいものが採用されそうだ。もちろん、現在のヤリスWRCからの技術的なフィードバックを得たものとなる。
■欧州でのさらなる拡販を狙って、オーリスにも展開
また、このシステムを次期オーリスに搭載することも決まっている。
こちらはVWゴルフRやルノールーテシアR.S.、シビックタイプRなどと競合するもので、これらのクルマと同等の性能をはるかにリーズナブルな価格で提供するのが目標だ。
トヨタはGRMN、GR、GRスポーツの新しいGRシリーズを立ち上げたばかりだが、この1.6Lターボ4WDスポーツはそうしたスペシャルモデルではなく、量産カタログモデル。
特に次期ヴィッツ(ヤリス)はできるだけ価格を抑え、若者にも手が届くスポーツ車にするのが目標。S-FRは幻に終わってしまったが、その志はかたちを変えて、受け継がれるというわけだ。
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