各メーカーから東京モーターショーの出展車概要発表が相次いでいます。今回も次世代を予感させる華やかなコンセプトカーが数多く登場しますが、しかし、どのクルマもそのまま市販車として登場することはほぼありません。
技術やデザイン、あるいは文字どおり「コンセプト」が引き継がれることは数あれど、中には最初から打ち上げ花火のように「ショーモデルのみ」で市販開発につながらない計画だったり、あるいはプロジェクトそのものが開発過程で途絶することもまた、よくある話です。
そんななか、前回(2015年)の東京モーターショーで中心的な話題車となったトヨタS-FRに関して、新たな情報が入ってきました。
本企画担当、当時のプレスブリーフィングに立ち会い、トミカが発売した同車のミニカー(コンセプトカーとしては異例)も購入したのですが……。
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年10月26日号
■「立ち消え」から「復活」、そして再び……
前回、2015年の東京モーターショーで初公開されたトヨタのコンパクトFRスポーツ、S-FR。期待は大きく、本誌ベストカーでも頻繁にその後の開発状況を報告してきた。
途中、「開発中止」の情報が入ってくることが何度かあり、誌面でもその旨をお伝えしてきたが、いつもその後で「やはり再開したらしい」という報告が入り、ひと安心。そんなことを繰り返してきた。
本誌はS-FRの情報を常に追ってきたということだが、ついにその時がきてしまったというべきだろうか。2017年7月に、トヨタ社内で正式に開発中止が決まったという。
もともとS-FRはトヨタの加藤光久副社長が開発を主導してきたクルマで、「できるだけ安く、現代版のヨタハチを世に送り出そう」と計画したものだった。
しかし、加藤副社長は6月に退任(相談役に就任)。その人事を境に、S-FRは一気に開発中止に舵が切られたのだという。
ここからは本誌の推測だが、おもにコストの問題で、何度も開発が中止になりそうになっていたのを押さえてきたのが加藤元副社長だったのかもしれない。
しかし、その後ろ盾がなくなったことで、S-FRは結局幻に終わったということなのだろうか……。
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