筆者の押し入れから出てきた「チョイ古」エアガン紹介企画の第2弾。今回はかの有名な「ノルマンディー上陸作戦」が初投入と言われる歴史的名銃・M3サブマシガンの派生モデル(のエアガン)を紹介します!
文・写真:ベストカーWeb編集部
■いきなりで恐縮ですが、普通のグリースガンは好きじゃないです
「クルマに関係ねーだろ」と言われながらも強行突破した前回に続き、今回も懲りずに「迷銃」を紹介します。前回との違いは、実銃は「名銃」だということです。その銃の名は「M3サブマシンガン」です。ちなみに前回は英軍のアサルトライフル、L85でした。迷銃ですね。
さて、鋼板プレスで成形された左右レシーバーを溶接で貼り合わせ、そのほかのメカニズムも極めて合理的に設計されたことで、高い生産性を誇ったM3サブマシンガン。その特徴的な外観からついた「グリースガン」という愛称も有名ですね。
でもですね、私、あんまグリースガン好きじゃないんですよねー。なんていうかその、あまりカッコよく見えないっていうか……。似たような成り立ちの銃だとイギリスのステンMk.IIのほうがカッコいいかな~って。
で、その「カッコよくない」と判断した理由の大部分が、前方にみょ~んと伸びたバレル(銃身)にあります。いや、いくらなんでもシンプル過ぎるでしょう!
もちろん成り立ちを考えれば「シンプル過ぎる」=大正解なんですが、平和な時代の休日にエアガンとして愛でるには物足りなく思えてしまうのです……。
■触ってヒンヤリ。強者感マシマシのアルミ製サウンドサプレッサー
というわけでグリースガンのエアガンを積極的に購入することはなかった私ですが、見た瞬間に「カッケーッ!」となったのが、今回紹介させていただく「M3A1サウンドサプレッサータイプ」です。
製造元はハドソン産業さん。このメーカー、けっこうマニアックな銃を商品化することで有名なんですが、グリースガンに対する執着もなかなかのもんです。
モデルガン、カート式エアコッキングガンなどでグリースガンを商品化してきたわけですが、私のこの銃はガスブローバック式といって、液化ガスでBB弾を発射するものになります。
で、どうですか、このルックス。私がイマイチ好きになれない「みょ~ん」と伸びた銃身がゴツいサウンドサプレッサーに覆われ迫力マシマシです。なんか「強者感」が150%は上がった気がしないでしょうか。
これなら休日の昼下がりにカチャカチャやって「ウヘヘヘ……」するに充分です。ちはみにこのサウンドサプレッサーはアルミ製。触った時のヒンヤリした感じもクールでたまりません。
■重い撃ち味がたまらない! まぁ、撃てればだけど……
前回のL85は電動ガンなのにバッテリーがなくて撃てませんでしたが、今回のヤツは撃てます。でも満足には撃てません。亜鉛合金製のマガジン(弾倉)には60発のBB弾が詰められますが、最後まで撃てたことないです。
というのもこの銃、マガジンに大量の液化ガスを飲み込むものの、燃費があまりよくないのです。
まあガスを発射のみならず、かなり重いボルトを下げることにも使うので、しかたない気もしますが、弾を撃ちきる前にガスが気体に変化する時の気化熱でマガジンが冷たくなり、作動不全に陥ってしまうのです。迷銃ですね。
でも、私はこの銃が大好きです。ガスを入れたマガジンを真夏の炎天下に放置して温めても、フルマガジン撃ちきることは困難ですが、撃てた時の満足感は最高です。
銃本体の中で重いボルトがガス圧でスプリングを圧縮しながら「ドッコン」と下がり、下がり切ったら今度はスプリングの力で次弾を拾いながら「ドッコン」と前進。
この繰り返される「ドッコン、ドッコン」という重い反動がたまらなくイイのです。ま、この反動のせいで命中精度がよくないと言われたこともありますが、別に的を狙うのに使わなきゃいいだけの話です。
というわけで眺めてよし、撃ってソコソコよしの「M3A1サウンドサプレッサータイプ」ですが、残念なことにこの銃を新品で購入することは極めて困難という状況です。
というのもハドソン産業さんは2009年にエアガンなどの遊戯銃部門をやめてしまったからです。残念ですね。
もうすぐ夏がやってきます。この銃が一年で唯一、ソコソコ動く季節です。今年は久しぶりにこの銃を撃ってみようと思います。ガス漏れしてなければ、ですが……。
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