本気で変えてきたエクステリアデザイン
エクステリアの変更内容からは、今回の改良型オデッセイに賭ける、ホンダの意気込みがうかがえる。
フード前端のプレスラインを持ち上げ、さらにはフロントフェンダーにも手を加えている。樹脂部品のバンパーやヘッドライトとは違い、プレス成型品となると途端にコストがかかる。オデッセイの起死回生を願う、ホンダの熱い思いを垣間見た気がした。
これにより、改良型オデッセイは、風格あるスタイリングはそのままに、厚みのあるフードと大型グリル、そして薄型のヘッドライトによって、力強いフェイスとなった。
ヘッドライト周りやブラック基調のグリルは、同社のインサイトやステップワゴンに似た雰囲気だ。
リア周りも、リアコンビライト変更と合わせ、バックドアの形状が変更された。メッキ加飾も施され、シャープなスタイルとなっている。
クルマの内側から外側へと流れるシーケンシャルターンシグナルランプを前後のウィンカーに採用。他にもパワーテールゲートを今回より採用した。
大幅な変更が加えられたものの、改良型オデッセイのデザインは、オデッセイ本来の独自性がキープされた。
ホンダ開発担当者に聞いたところ、某社の背高ラージミニバンの方向性は目指さなかったそうだ。どこかで見たような、「メッキ多用の鉄仮面」にならなくて、本当によかったと思う。
インテリアも正常進化、お客様の声を取り入れた改良がいたるところへ!
インテリアでは、インパネの加飾パネルの変更に加え、メーター内の液晶モニタのサイズが3.5インチから7インチへと変更された。
また、「収納がもっと欲しい」といったユーザーの声に応えるため、格納式ドリンクホルダーを運転席側に、リッド付きのインパネボックスを助手席側へと追加された。
手を伸ばしたところにある車内収納は、いくらあっても困らないものだ。いかにうまく隠せるかは、メーカー技術者の腕の見せ所であるが、改良型オデッセイでは、見事なまでに自然に溶け込んでいた。
また、純正アクセサリとして、ナビゲーションシステムにはこれまでの最大9インチサイズから、10インチの大型液晶モニタに変更した(税込27万5000円+取付アタッチメント税込4400円)。
後席用の11.6インチモニタ(税込9万3500円+取付アタッチメント1万3200円)や、オデッセイ専用の音響チューニングがなされたハイグレードスピーカーシステム(税込4万5100円)も設定されており、車内のエンターテイメントも、ぬかりは一切ない。
唯一、気になったのは、エアコンのコントロールパッドだ。操作しづらい低い位置にあることに加え、静電パッドによるスイッチなのだ。
静電パッドは、凹凸がなくすっきりするため、デザイン的に採用したくなるのはわかるのだが、エアコンのような、運転中に操作する可能性が高い機能のスイッチは、運転中でも手探りで操作ができる物理的なスイッチであるべき。
物理スイッチを外したいのであれば、音声操作可能にするか、動作時にクリック感を伴うタイプにする、などの工夫が必要だ。この点は、改良してほしい、ポイントだ。
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