■新型MIRAIは2020年デビューで準備中
世界初の一般向け量産燃料電池車として登場したMIRAIだが、デビューは2014年11月なので、すでに3年が経過している。
ちょっと特殊な存在ということもあり、次期型はそもそも存在するのか、という声もあるが、これは水素供給インフラとも大いに関連しているし、そもそもエネルギー政策とも密接に関連しているだけに、なかなか今後の見通しが見えてこなかった。
結論からいうと、トヨタは燃料電池車(FCV)に本気だ。現状では水素供給の問題や車載水素タンク生産キャパシティなどの問題で生産台数は限られているが、トヨタは2020年の東京オリンピック前に次期型MIRAIを投入し、大会公式車として東京都内に大量に走らせるという狙いを持っているという。
現行型MIRAIで洗い出した問題点をフィードバックし、現在ではオーバークォリティとされる部品を最適化することでコストダウンも可能となる。
スタイリングなどについてはまだまだ見えてこないが、東京オリンピックで世界が注目するなか、目を引くアイコンとなることは間違いない。
■日本最高級車「レクサスLS」にも燃料電池仕様アリ
そしてもう一台、こちらも『大本命』と言えるのがレクサスLSのFCV(燃料電池車)だ。
2015年の東京モーターショーにLSをイメージさせる車体に燃料電池ユニットを組み合わせたコンセプトモデルを投入していたが、この仕様は現在も着々と開発が進んでいるという。
レクサスLS自体は昨年フルモデルチェンジを実施して5代目となったが、FCVはこの新型のボディで登場予定。やはり次期型MIRAIと同じく2020年の東京オリンピック時に大会役員などVIP車としてお披露目される計画だという。
基本的な車体、シャシーは現在販売されるLSを踏襲し、フロントフード下にFCスタックを配置するパッケージ。後輪モーターに加え、前輪もモーター駆動する4WDとなる。
■「コンセプト愛i」は絵に描いた餅ではない
昨年の東京モーターショーでトヨタのメインステージに展示された『コンセプト愛i』は、そのカタチやインテリア、語られたコンセプトなどを聞くと、あくまでも今後トヨタが目指すコンセプトを具現化した、本当の意味でのコンセプトカーなのだな、と思ってしまうだろう。
だが、トヨタはかなり本気で、近い将来のモビリティとしてAI技術を融合した自動車を開発することを目指している。
コンセプト愛iについてもプラットフォーム自体はすでに市販モデルに採用されるTNGA仕様でパワートレーンはEV。フロントタイヤを駆動する。
ハイブリッドで培った制御技術やバッテリーなど知見豊富なトヨタだからEVについては実用化へのハードルは低い。
実際、この車体デザインではないだろうが、コンセプト愛iで提案されたコンセプトを盛り込んだ試作車は実走行を間もなく開始するという。
さらにこのモデルに搭載される注目技術がAIを活用した自動運転。
トヨタの基本スタンスは、「運転はあくまでもドライバーが行い、危険が迫ったときにクルマ側が危険回避のサポートをする」というもので、この技術を『ガーディアン』と呼んでいる。
AI技術はドライバーの眠気などの運転能力低下を、本人が意識しない超初期レベルで検知して、早め早めに対策するといったことに役立てるという。
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