次期スープラや次期クラウンといった華やかな新車の発売情報とは別に、10年先、20年のトヨタを支える技術開発が存在する。
本稿ではそんな、重要ではあるけれどあまりメディアには出てこない、それでもしっかり進んでいるトヨタの重要な技術開発や、まだそれほど大きく取り沙汰されていないクルマの開発状況について紹介してゆきたい。
文:ベストカー編集部
ベストカー2018年3月26日号「トヨタ&レクサスの秘密」より
■次期ノア/ヴォクはユニバーサルデザインへ
2014年1月に現行型にフルモデルチェンジしたノア/ヴォクシー。さらに同年10月に3番目の兄弟車となるエスクァイアも加わり、5ナンバーサイズBOXミニバンの定番として現在も高い人気を誇っている。
このノア/ヴォクシー/エスクァイアは昨年7月にビッグマイナーチェンジを実施しており、それで売れ行きを大幅に伸ばした。次期型へのフルモデルチェンジは2020年の計画となっている。
2001年、FRだったタウンエースノアからFFプラットフォームへ一新されて以来3代にわたり大きく基本コンセプトを変えることなく、このクラスのスタンダードとして室内居住性と使い勝手を徹底的にブラッシュアップしてきたが、次期型ではトヨタが次世代モビリティとして開発を推進しているユニバーサルデザインの考え方が取り入れられるという。
「ユニバーサルデザイン」とは誰にでも優しいデザインという考え方で、高齢化を迎える国内のみならずあらゆる人にとって使い勝手のいいクルマを目指す、という考え。
例えば乗降時のフロア段差を小さくしたり、シート配列をお年寄りにも使いやすくしたり、赤ちゃんをベビーシートに乗せるときに楽な姿勢を取ることができるなど、車体構造から大きく変化させてくる可能性が大きい。
■いよいよ登場間近、新型センチュリー
日本が誇る究極のVIPカー、センチュリーがいよいよ今年、新型として登場する。
発売時期は、今年7月頃で決定した模様。すでに販売店では有力顧客に向けた事前説明が実施されており、価格など詳細は決定していないが、先代型より大幅に値上げして1800万~2000万円と案内されているようだ。
プラットフォームは旧型レクサスLSをベースとしており、パワートレーンも5L、V8ハイブリッドで、旧型LS600hを踏襲するものの、センチュリーはあくまで後輪駆動。
東京モーターショーに出品されたモデルはブラックだったが、従来と同じようにシルバー系など5色程度のラインアップとなる予定。
すでに生産も販売も終了した先代型は国産唯一のV型12気筒エンジン搭載車であったが、新型はV8ハイブリッド。少し寂しくもあり、トヨタの形式にこだわらない進化の追求に納得もした。
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