日本での正式発表まで秒読みとなっている、中国・第一汽車の最高級モデル「紅旗H9」に名古屋ナンバーが付いたことは先日お伝えした。こちらの記事では、日本における販売価格および日本に輸入されるグレードや仕様などについて、輸入販売元より公開が許可されたのでお伝えしたい。
文/加藤久美子 写真/第一汽車
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■最高級仕様で1097万8000円は…高い? 安い??
現在、日本の輸入販売元が発表している(日本で販売される予定の)「紅旗H9」は8グレードとなっている。このうち、最高級グレード「GB」「TB」の2種は「紅旗H9+」と呼ばれる後席2座仕様(4人乗り)ロングホイールベースモデルとなるが、これらについては中国で大変な人気となっているため、現状、今シーズンは日本に導入される予定はないとのこと。判明した車両価格は以下のとおり。(価格はすべて消費税込み)※2021年5月26日現在
紅旗H9 3.0 G4 (4座) ¥10,978,000
紅旗H9 3.0 SP ¥9,669,000
紅旗H9 2.0 SP ¥8,118,000
紅旗H9 2.0 R ¥7,205,000
紅旗H9 2.0 X ¥6,578,000
紅旗H9 2.0 Y ¥6,105,000
※価格は為替レートによって変更される可能性があります。
中国における紅旗H9の販売価格は30.98-53.98万元で、1元=16.95 円で邦貨換算すると525万円~915万円となるため、諸々の手数料や輸入に関わる費用を換算すると中国国内とほぼ同じ価格水準となっている。
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■日本で主力となるモデルは?
輸入元に聞いたところ、日本で販売される場合の主力グレードは『3.0G4』『2.0SP』『2.0R』となるようだ。
ベーシックモデルの『2.0X』『2.0Y』については、一応ラインナップはしているものの、日本ではほとんど選ばれないだろうとのこと。これらのベースグレードでは紅旗H9の外観を印象づけるフロント&リア周辺のLED電飾などもついておらず、内装も質素な仕様。紅旗H9のゴージャスな雰囲気もあまり感じられない。
そして、2月上旬に初上陸を果たしていらい、日本に入ってきているのは2Lモデル(252馬力)のみとなっていたが、中国での生産体制も整ったので今後は準備ができ日本へも順次、3Lモデル(283馬力)が輸入される予定。
実際、6月には3Lエンジンを搭載した初の「4座モデル」が日本に上陸する予定だ。
4座モデルとは後部座席が2名乗車となるタイプで、中国ではVIPをおもてなしする際の最高級車として人気が高い。2019年の上海モーターショーで発表されたレクサス初のミニバンLM350(アジア専売車種) にも、後部2座席仕様の「4座」版と、通常の3列シートの「7座」版があり、「4座」の方が価格も高額で内装もさらに豪華になる。
日本で販売される紅旗H9も「3.0G4」は車両本体価格で唯一、1000万円超に設定されているグレードとなり、「3.0SP」と同様、ツートーンカラーのオプションも選べる。
ちなみに紅旗H9の「4座モデル」は、標準ホイールベースと、紅旗『H9 +』(H9プラス)と名付けられたロングホイールベースの両方に設定されているが、日本には当面、標準ホイールベースの4座モデルのみが入ってくることになりそうだ。
冒頭にも書いたが、「GB」「TB」の2種が『H9+』に相当するグレードになるが今シーズンの日本導入は見送られる模様。
■競合する日欧米の高級車と価格を比べると?
紅旗H9の価格帯は610万円~1097万円ということになるが、日本で販売されている他の高級車では、メルセデス・ベンツEクラス、BMW 5シリーズ、アウディA6、レクサスESなどとほぼ同価格帯となる。
中国本国でもこれらのモデルとの比較記事が多い。中国では実際、H9と競合しているのだろう。
しかし日本において、紅旗H9を買おうとする人がレクサスESやアウディA6と悩むケースはまずいないだろう。紅旗H9は、唯一無二の存在であり、孤高の最高級車であるからだ。実際、物理的な日本への輸入台数も当面は年間100台にも満たないと思われる。
というのも、中国においては、2020年8月より紅旗H9の販売が開始されていらい、予想をはるかに超える大人気となっており、納車まで1年以上かかるケースも珍しくなかった。最近になって2Lモデルに関しては落ち着いてきたがそれでも納車までは半年程度かかるという。
今、中国で「奪い合い」が起きているのは、最近、本格デリバリーがスタートした3Lモデルだ。4月にロングホイールベース&4座(後部2座席仕様)の特別仕様車100台限定で出したところ、瞬殺で完売している。
また、紅旗じたいは中国で長い歴史と圧倒的な存在感を持つブランドだが、本格的な海外進出は紅旗H9が初となる。設計やデザインも世界で販売されることを前提に行われた初のモデルとなり、輸出地域も2020年12月から、UAE、韓国、サウジアラビア、そして日本と広がりつつある。
これらの国々では、日本車や欧米の高級車と競合するのではなく、潔いまでにオリエンタルムード満載の孤高の高級車として独自路線を貫いているように見える。
その潔さがもっともよく表れているのは東洋デザインの基本となる「白銀比」をもとにしたエクステリアデザインだ。
西洋デザインの「黄金比」(golden ratio 1:1.618)に対して、「白銀比」(silver ratio1:√2)は正方形を基調としており、日本を含む東洋の国々では古来より白銀比をもとにデザインが行われてきた。
紅旗H9の顔となる正方形基調の大きなフロントグリルを見た時に、(最初はそれが白銀比で設計されていることを知らなかったが)意外とすんなり「カッコいい」と感じることができたのは、日本人のDNAにしみこんだ「白銀比」に基づいたデザインだからなのかもしれない。
コメント
コメントの使い方大阪の、26号線で夏頃みました。夕方でフロントのLEDが光ってたので間違いないです。ナンバーが見えなかったのですが、大使館の車かもです。