■では実際に乗ってみましょう
今回、試乗したekスペース カスタムの「T Safety PLUS Edition」は、軽スーパーハイトワゴンというカテゴリーのモデルとなる。
このクラスの魅力はなんといっても広いキャビン、そしてスポーティなカスタム外装だが、カスタム全車が上記の先進機能のすべてを搭載する「サポカーSワイド」であることも見逃せない。
オートマチックハイビームは、対向車を認識し、ライトのハー&ロー切り替えを自動化したもの。よりよい夜間の視界を提供してくれる便利アイテムだ。
もちろん、注目は進化した自動ブレーキだが、これは、転ばぬ先の杖というもの。
試乗中に前走車が強めにブレーキをかけ、車間が急激に縮まったことがあった。その際は、しっかりと「警告」してくれた。確かに自動ブレーキの性能は大切だが、まずは「警告」することが重要。多くのドライバーは、音や表示の警告に反応し、ブレーキを踏むことができるからだ。
つまりクルマのアシストとドライバーの協調がより事故を回避の可能性を高められることを忘れてはならない。
もうひとつ便利だと感じた機能が、駐車の際に便利な「マルチビューモニター」。車両周囲360度の俯瞰映像と後方を映すバックモニターで、ナビ画面などに映像を映すことができる。
この機能も多くのグレードに標準化。しかもバックミラー内に映像を表示こともできる。だから必ずしも対応ナビを装着の必要がない。
また表示はナビ画面とミラー内表示の切り替えることも可能。駐車時の状況に合わせて見やすい方を選択できるようになっている。
■そもそもeKスペースってクルマ、どうなの?
運転席は、ガラスエリアと頭上空間が広いため、視界が良くて運転がしやすい。インパネもすっきりしたデザインで使いやすいのも好感が持てる。
ただ欲を言えば、運転席から取りやすい位置に、財布や携帯などが収まる小物入れが追加されると嬉しい。
電動スライドドアを備える後席は、開口部も大きく乗り降りも楽々。乗り込めば260mmのロングスライド機構により、駐車中に車内で足を伸ばして休憩できるほどゆとりがある。ただスーパーハイトワゴンだと、後席のエアコンの効きがイマイチなんてこともあるが、ekスペースは心配なし。エントリーモデルの「M e-Assist」除き全車に「ナノイー付きサーキュレーター」を搭載している。
今は多くのモデルに普及しつつあるサーキュレーターだが、実はekスペースが(2014年2月のデビュー時に)クラス初搭載なのだ。
このように乗る人に優しいekスペースの安全性をより高めたのが、今回の改良型なのである。
ちなみに、試乗した「PLUS Edition」は、ekシリーズ設定される特別仕様車で、ベース車にステアリングオーディオスイッチとリヤスピーカー+ツィーターを追加して価格を据え置いたもの。車両本体価格は「eKスペース カスタム T Safety PLUS Edition」(2WD CVT)で税込み187万560円。おお、けっこうするなあ。
とはいえ驚くべき点は、この特別仕様車、17万9280円相当のワイド2DINナビゲーションシステムがプレゼントされるという。取り付け工賃は別途必要となるが、実質的に約18万円の値引きといえる。このナビがまた、マルチアラウンドビューモニターと連携していて便利なんだ。
値引き幅の小さい軽自動車では、かなり嬉しい特典であることを付け加えておきたい。
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