■本音が爆発!?新型開発者たちによる熱いトークショー
ステージイベントでは、トヨタとスバルの新型開発メンバーによるトークショー「いっしょにいいクルマをつくろう!」も開催。
最も注目を集める新型エンジンの2.4L化について。GR86チーフエンジニアである末沢泰謙氏は、「ユーザーアンケートで最も多かったのが、もう少しパワーをという意見だったため」という。
そして、「ショートストロークの水平対向エンジンが生む軽快さとNAのリニアな回転フィールも重視した」とのこと。BRZ開発責任者の井上正彦氏も「パワーはスポーツカーに求められる永遠のテーマ。
確かにターボ化の声も多かったが、価格や重量増などネガも多い。その答えが400㏄アップ」とし、ターボ化も検討しながらも、86/BRZの魅力を追求するとNAに拘ることがベストと判断したことが語られた。
末沢氏も、「本当にパワフルで気持ちいいエンジンとなった」と新エンジンが魅力的に仕上げっていることをアピール。エンジン自体も、単にボアアップしたものではなく、各部の最適化を図った新開発であることが明かされた。
排気量とパワーの向上となれば、重量増も気になるところ。
しかしながら、性能向上による重量増を抑える徹底した軽量化と運動性能を高める重心位置のふたつに拘ることで、ライトウェイトスポーツの魅力は守られているという。その秘策が、ルーフやフェンダーなどをアルミ化だ。
もちろん、車両全体で重量を抑えるべく、工夫を凝らしている。それでも価格は高くすることはできないので、新部品では、「軽く、安く」をキーワードに開発を進め、コツコツと努力を重ねてきたそうだ。その結果、新型は現行型同等の重量をキープしている。
さらに時代が求める先進安全装備は、トヨタセーフティセンスとスバルアイサイトの両方が検討されたが、アイサイトの性能の良さから、両モデル共にアイサイトを搭載。細かいことだが、GR86でも先進運転支援機能が「アイサイト」を名乗ることを発表。
このエピソードは、トヨタのスバルへの高いリスペクトを感じさせるところだ。現時点では、AT車に標準化される予定で、将来的には、MT車も衝突被害軽減ブレーキが必須となるため、いずれ標準化されるようだ。
■締めくくりは100台以上でのパレードラン
ATといえば、これまでは快適性重視のアイテムと捉えられてきたが、新型では、そのイメージも払拭。スポーツドライビングの強い武器になるという。
新たなスポーツモードでは、ドライバーに代わり、ドライビングに合わせた最適なシフトを行うそうなので、様々な理由でATを選ぶユーザーには最高のプレゼントとなりそうだ。
トークショー後半では、開発ドライバーであり、イベント当日の新型デモランも披露した佐々木雅弘選手と井口卓人選手も参加。二人ともに、新型車のポテンシャルの高さを評価しつつ、GR86とBRZのキャラクターが明確化されていることにも言及。二人揃って、「購入時は、ぜひGR86とBRZの両方に試乗して、好みのモデルを選んで欲しい」と未来のユーザーに向けてアドバイスも行った。
この他にも、織戸学選手が頭文字DやMFゴーストなどのしげの秀一作品の魅力を語った「頭文字D25周年記念“MFゴースト”specialトークショー」や、ドリキンこと土屋圭市選手らによるハチロクを愛してやまない男たちによる「ドリキンの言いたい放題」など魅力的なステージイベントが開催され、イベントを大いに盛り上げた。
イベントの締めくくりは、全国から集まった100台以上の新旧86とBRZが参加するパレードラン。86とBRZを愛する者同士が気遣いながら、ソーシャルディスタンスを確保しつつ、無事にイベントが運営され、楽しい一日を過ごせたことに感謝した。彼らは、来年のイベントでの再会を願い、レーシングコースを名残惜しそうにゆっくりと駆け抜け、それぞれの帰路へとついた。
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