今や希少な国産スポーツカー、トヨタとスバルの協業で生まれた86/BRZの今後は?
2012年、スポーツカー冬の時代に送り出された2ドアクーペスポーツ、トヨタ 86とスバル BRZは、今年で登場から8年目に突入。次期型の動向に注目が集まるなか、BRZが7月に現行モデルの注文受付を終了。
そして、今月に入ってから86に関しても既報のとおり、現行モデルは事実上の生産終了となっていることが取材により明らかとなった。
86とBRZに関しては次期モデルを開発していることが明言されていて、そうしたなかで、現行モデルが販売終了となったにも関わらず、次期型に関するアナウンスがないのは極めて珍しい。
なぜ異例の事態になったのか? そして注目の次期モデルはどうなるのか? 国沢光宏氏が解説する。
文:国沢光宏、写真:トヨタ、スバル
予想CG:ベストカー編集部
【画像ギャラリー】受注終了した現行型トヨタ86&スバルBRZをみる
現行型終売も錯綜する次期型の情報
次期型86/BRZの情報が錯綜している。そもそも普通であれば従来型と新型車のバトンタッチはシームレス(継ぎ目無し)に行われます。
従来型を販売している最中に次期型の情報流れ、生産台数や受注、在庫など勘案しながら受注停止になり、新型の受注が始まるというもの。
しかし、86/BRZに関しては、不思議に新型車の情報出てこない。
ご存じのとおり、話題の多い新型車は、少なくとも半年くらい前のタイミングからアウトラインが解ってくる。もちろん、厳密な機密保持をされているのだけれど、販促活動など含む宣伝のため実車を開発部門の外に出すようになります。
初代86/BRZの時は、発表の1年ほど前から情報が流れ始め、発売半年前になるとスペック概要まで判明した。
翻って次期型86/BRZといえば、現時点で明確になっているのは「市販に向け鋭意開発中」ということだけ。搭載されるエンジンすらターボ説とNA説に分かれているほど。
新型86/BRZ開発遅れの背景は?
なぜこんな状況になったのか? 調べてみると2つ理由があるようだ。
まずは開発の着手遅れ。通常なら発売の4年くらい前に次期型のアウトラインを決める。けれど、当時トヨタはBMWと共同開発しているスープラに手間取っており、86/BRZを真剣に考える余裕なし。
当時のトヨタとスバルを思い出せば、86&BRZのフルモデルチェンジを急ぐ気がなかった、ということなんだと思う。
加えてトヨタ、スバル双方ともに最初の86&BRZを作った時のような意欲を感じませんでしたね。当時の私の印象だと、次期型の開発計画すら怪しかったと考える。
いっぽう、次期型86&BRZを期待する市場からの声は案外大きかったようだ。豊田章男社長にとっても苦労して世に出したモデルということで、絶版にするというチョイスは取れなかったのかもしれない。そんなこんなで開発のスタートが遅れてしまったと考える。
コメント
コメントの使い方