スズキを代表する軽ワゴンの傑作「ワゴンR」に待望の派生車が誕生!! 2021年8月27日、スズキは新型軽自動車の「ワゴンRスマイル」を発表した。
ワゴンRは現行型で6代目。1993年の初代モデルからの累計販売台数は、460万台にも及ぶ、日本の軽自動車界に革命を起こしたモデルだ。
その派生車として誕生した「ワゴンRスマイル」の最大の特徴は、ワゴンRにはない両側スライドドアを採用したこと。革命児ワゴンRに両側スライドドアという武器を装備させた「ワゴンRスマイル」の詳細についてご紹介しよう。
文/吉川賢一、写真/池之平昌信、SUZUKI
【画像ギャラリー】本稿未掲載写真含む53枚!! スズキ新型ワゴンR スマイルの内外装をチェックする
新型ワゴンRスマイルは「ありそうでなかった」ソロユーザー向けスライドドア車
スズキによると、軽乗用車の新車販売のうちスライドドア車の割合は、半数を超えるという。また、軽ワゴン車購入意向者のうち、4割以上(男性約35%、女性約50%)がスライドドアを希望するそうだ。
だが、スペーシアやスペーシアギアといった軽スーパーハイトワゴンだと、どうしてもファミリー感が強く、ソロユーザーは選びにくい、という一面もあった。
そこで考えられたのが、背低ワゴンのスライドドア車、「ワゴンRスマイル」だ。開発コンセプトは「マイスタイル・マイワゴン」、自分らしさを表現することが狙いだ。
鋭い印象があるワゴンRとは大きく異なり、角を丸めたボディ、大きな丸目のヘッドライト、ツートーンカラーなど、オシャレ感が漂っている。
12通りのカラーバリエーションは、やさしいイエローや目のさえるようなレッド、シックなブルーメタリックなども用意されている。
スズキのデザイン担当によると、「男性にも気に入ってもらえるよう、ボディカラー選定や、ヘッドライトの形状、ボディへのキャラクターラインなど、ひとつひとつ吟味して、可愛すぎないように仕上げました。いい塩梅に落とし込めたと思います」とのことだ。
なお、ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1695mm、ホイールベースは2460mm。ワゴンR(全高1650mm)と比べると全高は45mm高い。スペーシア(全高1785mm)よりは120mm低いので、ちょうどこの2台の中間の高さとなる。なお回転半径は4.4m、ワゴンRと同様の数字を維持している。
最大の特徴であるスライドドアは、同社のスペーシアと同様に、スライド量が大きいので乗り込みがしやすい。両側のパワースライドには予約ロックもつく。
オシャレ感が漂うインテリアと役に立つスズキセーフティサポートの機能
非常に明るい雰囲気のインテリア。運転席のヒップポイントは(ワゴンRに対し)70mm上がり、頭部周りのスペースも広がったことで、視界の良さと、開放感が得られている。
大きな円形のマルチインフォテイメントディスプレイには、クラシカルな針のスピードメーターと、カラー液晶が組みあわせられている。また視線移動が少なくなるよう、ヘッドアップディスプレイもつくなど、安全性能にも注力している。
天井に入れられたクロスのライン模様は、光によって陰影がつくようになっており、エレガントさを演出。ドアインナーにも、本革を再現したかのような樹脂製の内張りが貼られており、クオリティ高い雰囲気が漂う。
また、インパネ表面には、艶有ガーニッシュが貼られており、クラシカルな雰囲気も。ワゴンRスマイルは、先進性とクラシカルなデザインが混在した、オシャレ感が漂うインテリアだ。
使いやすい位置にある9インチメモリーナビゲーションは、スマホ連携も可能だ。全方位モニター用カメラの表示画面としても使われており、ワンタッチで自車の周りの俯瞰映像を見ることができる。
この自車周辺の俯瞰映像は、駐車時や狭い道でのすれ違いの際、また、左右見通しの効かない交差点など、日常の運転で役立つシーンが多い、便利アイテムだ。今後普及が進んでいく装備だと思われる。