■新グレードのEXECTIVEとOFFROADは、LXの新たな一面を見せる
LXの最上級グレードとなるのがEXECTIVEだ。同名のグレードはフラッグシップセダンのLSにも存在する。レクサスの上級グレードであるversion Lを大きく凌駕し、レクサスの考える極上の空間を作り上げたグレードだ。
EXECTIVEは、後席空間の拡充と寛ぎに重点を置いた4人乗り仕様となる。リアシートは、最大48度のリクライニングコントロールや、最大レッグスペース1,000mmを確保する空間づくりが行われる。
室内高がLSよりも高いLXでは、余裕のあるヘッドクリアランスが確保でき、開放感の大きい室内で、快適な移動ができるだろう。ドライバーズカーとしてだけではなく、ショーファーカーとしての使い方もできそうなグレードである。黒の新型LXは要人の移動車として使われることも増えそうだ。
もう一つ追加されたグレードがOFFROADだ。こちらは日本国内専用仕様となる。
3つのデフロックと18インチの高偏平タイヤを装備し、悪路での路面追従性を高めたグレードだ。専用エクステリアを用意し、レクサスに新たなオフロードのイメージを作り出す。
このOFFROADは、ランクル300のGR SPORTに近いものだと考えていいだろう。
これまで、レクサスのスポーツグレード「F SPORT」が設定されてこなかったLXだが、今回も日本国内に関してはF SPORTの設定は見送られる。(北米・欧州では導入の可能性あり)LXの走りのグレードは、F SPORTではなくOFFROADが担うことになるのだ。
■パワートレインはガソリンのみでスタート、ディーゼルは追加モデルとなるか
2022年初頭に予定されている新型の販売は、3.5L、V6ガソリンターボエンジンに標準、EXECTIVE、OFFROADの3グレードを組み合わせたラインナップとなると、筆者は予想する。
先述の通り10月16日にモスクワでLX500dが披露された。3.3L、V6ディーゼルターボが搭載されるLX500dだが、当面はガソリンエンジンを優先的に生産し、ディーゼルは遅れて登場することが見込まれる。
11月下旬には、販売店向けの新型車研修が小規模に予定されており、ここでディーゼルターボのプロトタイプが出てこなければ、来年のデビューには間に合わないと見ていい。
2022年8月頃にはレクサスの年央改良の時期を迎えるため、ディーゼルターボエンジンや2列5人乗り仕様は、ここで追加されるのではないだろうか。
■気になる価格は1200万円スタート?
現行型のLXは1135万6481円だが、新型ではこの価格を上回ってくることが予想される。筆者の予想は、標準グレードが1200万円、OFFROADで1350万円、EXECTIVEは1690万円だ。
価格は現行型のLSに近い設定となるだろう。LS500hのI packageにLXの標準グレードが相当し、F SPORTにOFFROAD、EXECTIVEはLS500hのEXECTIVEが近い価格となると考える。
また、追加導入の可能性が高いディーゼルターボエンジンに関しては、ガソリンターボエンジンに25万円程度を加えた価格設定となるはずだ。ランクルのガソリン車とディーゼル車の価格差は30万円であり、LXでは若干ではあるが価格差を縮めて展開されると思う。
新型登場を機に、仕様面に加え価格の面でも、ランクルとLXの明確な差別化を行いたい。こうしたメーカーの意図が感じられる価格設定となるはずだ。
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