■ソルテラにみるBRZとGR86的な「味」の違い
次に注目したいのがデザインだ。bZ4X、ソルテラともにフロントデザインはグリルレスとしている。エンジンモデルのグリルが巨大化しているなか、グリルレスデザインは斬新さがあるとともに、EVであることを主張しやすいデザインである。
全体のシルエットは似ている両車だが、ソルテラはスバル車のグリルに使われているものと同じ六角形をモチーフとしたアクセントが与えられた、またヘッドライトにはスバル車のアイデンティティとなっているCシェイプのデイタイムランニングライトを採用。
bZ4Xとはずいぶんと異なる印象で、スバルらしさをしっかりとアピールしている。
走りにどれくらいの違いがあるか? を技術者に聞くと「パワートレインなどはbZ4Xと同じ設定なものの、足まわりのセッティングを大きく変えている」とのこと。その手法はトヨタ GR86とスバル BRZの違いとも共通性があるという。
BRZはまずは安心感と安定感をねらう足まわりセッティングであったので、今回のソルテラも似たような思想でのセッティングが施されているのだろう。ソルテラにはステアリングパドルが取り付けられ、回生ブレーキの効き具合を調整できるようになっている。
また走行モードの切り替えでワンペダル走行も可能にしたという。ただし、完全停止までをワンペダルでできるという方式ではなく、最終的に完全停止するためにはブレーキペダルを操作する必要があるという。
■肝となる4WDは電動でもスバル流
AWD(4WD)の制御について両車に違いはないが、そのセッティングの多くはスバルが担当している。
スバルはガソリン車の時代から4輪の駆動トルクとブレーキ独立制御を積極的に行い高い安定性を確保してきたが、電動化されたことでその制御をさらに細かくできるようになり、求めていた性能に限りなく近づくことができたという。
たとえば、パワーユニットの出力を増減させる場合も、エンジンでは遅れが生じるもののEVではリニアな増減が可能で、理想の制御を可能としているとのことで、モーター制御はスバルと親和性が高いとのこと。
スバルのディーラー数を考えると充電インフラなどには不安が残るが、それはスバルも充分に承知している。ソルテラはもちろん日本でも販売されるモデルなのだが、そのメインマーケットは北米となる。
北米のなかでも西海外を中心とした地域がおもなマーケットで、戸建ての自宅に普通充電器を備えている家庭が多いとのことで、日本とはちょっと事情が異なるようだ。北米のスバルユーザーはEVに興味を持つ人が多く、販売については自信のある様子であった。
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