2022年8月26日に発表されたスズキの新型車スペーシア「ベース」の評判がすこぶるいい。昨今の「キャンプブーム」を反映するかたちで、軽商用バンの売れ筋をきっちり抑えたモデルとして投入される。以下、新型スペーシアベースの概要と「強み」、スズキの商品戦略のうまさについてざっくり紹介します。
文/ベストカーWeb、写真/ベストカーWeb、SUZUKI
■変革を続ける激戦の「軽商用バン」の世界
かつて軽商用バンといえば、スズキのエブリイ、ダイハツのアトレー、ホンダのアクティが三大ブランドとしてしのぎを削っていた(個人的には第四勢力としてのスバルサンバーが好きだったが、残念なことにスバルが自社開発を断念、OEM販売へ移行した)。
それが2018年7月、ホンダが「N」シリーズの一角として「N-VAN」を発売、アクティの生産を終了して新たな商品戦略を打ち出してきた。従来の商用バンが持つ「商売っけの強さ」を排して、よりお洒落に、より乗用に近く、そのいっぽうでアウトドア(キャンプなど)ユースに適応した新しくてお洒落な軽商用バンの姿を提案したわけだ(さらにいうと、乗用のN-BOXと同じプラットフォームを使うことで開発資源を効率的に運用できる)。
N-VANは、高い商品力と、近年期せずして始まったアウトドアブームの追い風を受けて堅調に売れ行きを伸ばし、2018年には累計で24,439台、2019年には45,230台、2020年には32,186台と、アクティの次世代型として十分以上に活躍している。
そんな軽商用バン界の変革を受けて、ダイハツもアトレーを(従来の乗用型から)軽商用バンへ本格シフト。2021年12月に(16年7カ月ぶりの)フルモデルチェンジで、全車4ナンバー化へ。軽キャブオーバーバンで初となる両側パワースライドドア、両側スライドドアイージークローザーなどを採用。「より乗用車っぽい商品力」でN-VANヘ真っ向勝負を挑んだかたちとなる。
ダイハツはアトレーを刷新したいっぽうで、より商用的な性格が強い「ハイゼットカーゴ」も同時にフルモデルチェンジ。アトレーよりも質素で使い勝手の高い内装と、手頃な車両本体価格で用意している(ハイゼットカーゴはトヨタにピクシブバンとして、スバルにサンバーバンとしてOEM提供している)。
ここまでが「令和における商用軽バン市場の動き」。
こうした背景のもと、ついにこの「軽商用バンのアウトドアユース狙い仕様」市場へ、スズキが満を持して本格参入。「スペーシアベース」を投入した(「三国志」っぽい)。
コメント
コメントの使い方N-VANて滅多に見かけないが、本当に売れてるのか?