2022年9月29日にメルセデスベンツが発表したBEV専用プラットフォームの「EQS」、2022年10月24日発表のクーペタイプのスポーツカー「SL 43」に自動車評論家 吉川賢一がイッキ乗り。垣間見えた超名門ブランドの息吹とは?
※本稿は2022年12月のものです。試乗日:2022年11月14日
文/吉川賢一、写真/MERCEDES-BENZ、ベストカー編集部 ほか、撮影/森山良雄
初出:『ベストカー』2023年1月10日号
■EQSは専用プラットフォーム採用の最新BEV、SLは古きよき伝統のロードスター
メルセデスが9月に発売した4ドアセダンの新型BEV「EQS」と、翌10月に発売したラグジュアリークーペの新型「SL」。先日この2台を試乗できた。
EQSは専用プラットフォーム採用の最新BEV、片やSLのほうは古きよき伝統のロードスターだ。
真逆の存在とも言える2モデルだが、はたして「メルセデス」としての共通項はあるのか?
■超刺激的な加速性能のAMG EQS53、Sクラスの厳かな雰囲気を感じる450+
EQSは標準仕様の450+と、AMG版のEQS53 4MATIC+の2モデルを設定。450+の航続距離はなんと700km(EQS53は601km)だ。
EQSの威風堂々とした外観で際立つのが3210mmというロングホイールベース。ただ、最大10度まで切れるリアアクスルステアリングによって、狭い場所でも取り回しは楽だった。
内装は先進性の塊、他メーカーの5年先を行っている。ドライバー側から助手席側へ12.3インチ、17.7インチ、12.2インチと、3つのスクリーンが広がるMBUXハイパースクリーンは圧巻。
センターと助手席側は有機EL液晶で、助手席側では動画を見ることも可能だ。
先に試乗したのがAMGのEQS53。システム出力484kW(656ps)にもなり、強力な前後モーターによる加速性能は超刺激的。
一瞬のフル加速で脳が揺すられて、自分の運転ながら少し酔ってしまった。レーススタートを使用すると最高出力560kW(761ps)にもなるが、公道で使うことはないだろう。
450+は最高出力245kW(333ps)で、Sクラスの厳かな雰囲気に近い乗り味だ。
手の内でクルマを操れる感覚は、メルセデス流の安定感、安心感を味わえる。
コメント
コメントの使い方