日産 最新GT-Rのデキが感涙モノ 騒音規制クリアのマフラーでも音変わらず!?

日産 最新GT-Rのデキが感涙モノ 騒音規制クリアのマフラーでも音変わらず!?

 2022年モデルがファイナルかと言われた日産 R35 GT-Rだが、難関だった車外騒音規制をなんとクリアした!! GT-Rは進化の手を緩めることなく2024年モデルが登場となる。最新のMY2024を徹底解剖する。

※本稿は2023年2月のものです
文/ピストン西沢、ベストカー編集部、写真/NISSAN、ベストカー編集部、撮影/中里慎一郎
初出:『ベストカー』2023年3月10日号

■GT-R MY2024のここがポイント

2023年1月に発表された日産 GT-R MY2024(R35)。フロントの形状が変更されより引き締まった印象となった
2023年1月に発表された日産 GT-R MY2024(R35)。フロントの形状が変更されより引き締まった印象となった

・難関と言われた車外騒音規制をクリアする新開発マフラーを採用
・空力を徹底的に追求した車体形状。NISMOはダウンフォースを13%引き上げる
・基準車では初となるリアスポイラーの形状変更を実施。これもダウンフォースのため
・NISMOにはフロントLSDを採用し、コーナー脱出速度を高める

■嬉しいサプライズ!! 日産 GT-Rに2024モデルが登場

 2023年1月13日、GT-Rは大幅改良モデルの「MY2024」を発表した。これはビッグニュースだ。厳しくなる車外騒音規制をクリアできないとして、R35型GT-Rは2022モデル(MY2022)がファイナルモデルになる、と言われていた。

 「お客様が望んでくださる限り、こちらから“これでお終いです”と言ってはいけないと思っています」。田村宏志氏から開発リーダーを受け継いだ川口隆志主管はそのように言った。

 いわゆる「基準車」と「NISMO」というモデル構成はこれまで同様だ。国内向け仕様では車外騒音規制をクリアするためにマフラー構造を見直し、新開発した。

 アンバサダーに就任した田村氏は、「ジェット機エンジンの消音効果がヒントになった」と説明。排気の流れを2本に分割し、あえて小さな渦を発生させることで消音効果を高めたという。もちろん、エンジンのトルク、パワーを引き下げることなく、だ。

■ダウンフォースを高めて接地力を引き上げる車体形状

同時に発表された日産 GT-R NISMO。グリル開口部の風の流れを徹底的に解析し、空力性能を犠牲にせず冷却風を効果的にラジエターに当てる形状とした
同時に発表された日産 GT-R NISMO。グリル開口部の風の流れを徹底的に解析し、空力性能を犠牲にせず冷却風を効果的にラジエターに当てる形状とした

 MY2024は一目見て「変わった!!」とわかるほど、フロントマスクが一新した。またNISMOではリアフェンダーサイドのカーボンパネル、セパレーションエッジが延長され、よりリアスタイルがレーシーになった。

 「徹底的にダウンフォースを追求しました。接地力を高めることでコーナリング能力が高まります。特にNISMOは13%ダウンフォースを引き上げました。

 これにより、フロントタイヤの接地力が高まり、GT-Rでは初めてフロントにLSDを入れました。コーナークリップからアクセルを積極的に踏んでいけるので、ヘアピンコーナーの脱出で車両0.6台分、約3m前に出ることができます」

 と川口主管は説明する。トラクションバランスが変わったことで、4WDの前後トルク配分制御は大幅に見直された。

 NISMOのリアスポイラーはより高い効果を生むスワンネックタイプに変更された。また、基準車ではR35GT-R史上初めて、リアスポイラーの形状が変更された。

 これはフロントのダウンフォースが増大したことで、リアのダウンフォースバランスをとるための措置だ。これまでいっさい変更されなかったのは「その必要がなかったため」。まさに機能のための形状なのだ。

 エンジンは基本的に変更はない。しかし、マフラー内部、消音器の形状が変更されたことで、従来型と同等の性能を発揮するために制御マップは見直された。

 冒頭でも言ったように、川口主管も田村宏志氏も口をそろえて「お客様が望んでくださるのであれば、GT-Rは進化を続ける」という。まだまだR35GT-Rの進化は続く!!

次ページは : ■GT-R激走インプレ/ピストン西沢

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